OkaSyo「運転シミュレーター導入」、新人運転者事故38%減
OkaSyo(オカショ―、岡田好美社長、岡山市中区)では、最新の大型トラック運転シミュレーターの導入により、2025年10月~26年4月の事故が前年同期比26・8%減少した。このうち構内事故が12・8%減、新人ドライバーの事故は38・5%減となっている。今後、群馬県をはじめ全国に営業所開設を加速させる計画で、シミュレーターを全社の標準仕様に位置付け、安全教育のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していく。(江藤和博)
このシミュレーターは、岡山営業所に所属する現役の大型トラックドライバー、吉田郷史氏が設計・開発を全面的に監修。レーシングシミュレーターの開発を得意とするB―work(坊垣伸一社長、兵庫県姫路市)と連携しながら、現場を熟知するプロの実体験や乗務感覚、知見などをさまざまな部分に反映させた。
ハンドルやペダルの負荷、トレーラ特有の複雑な動作、さらに荷物を積んだときのブレーキの踏み込み感や車両挙動の変化まで忠実に再現。3面モニターなので没入感が高く、車両を真上から見下ろせる機能も搭載し、自分の運転操作やミラーの死角を客観的にチェックできるようにした。
また、実車では不可能な危険シーンや、全国各地の道路環境、雨天や夜間などの悪条件の道路状況を自由に再現でき、何度でも繰り返して練習可能。
吉田氏は「日々、ハンドルを握る中で得た車の挙動や限界領域の知識を全て注ぎ込み、共に働く仲間が事故を絶対に起こさない仕組みをつくりたかった。実車では再現が難しい危険を安全な環境で体験することで『なぜ危険だったのか』『どうすれば防げたのか』を感覚ではなく、理論的に理解できるシステムを目指した」とコメントしている。
オカショーではこれまで、バックアイカメラなど最新鋭の安全装置を積極的に導入してきたが、ベテランの経験や勘に基づく指導には限界があり、構内でのバック事故などをゼロにできなかった。
そこで初任者教育の標準カリキュラムを導入するなど安全教育の仕組みを整備するとともに、個人の経験値や技量に頼るのではなく、デジタル化により誰が乗務しても最高水準の安全を維持できる客観的な教育基盤を構築した。
同社では「事故率が改善したのは機器の導入だけでなく、全社で取り組んだ『教育の完全な仕組み化』の成果。これまでの泥臭い安全指導を次のステージへ引き上げるため教育のDXも進め、『OkaSyo安全モデル』を武器に、地方の運送会社から、日本の物流を支える全国区のトップランナーに駆け上がっていきたい」としている。


東京都中央卸売市場の淀橋市場(東京都新宿区)では、2025年12月に自動立体冷蔵倉庫を導入し、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させている。卸売市場として初めてAGV(無人搬送機)との連携を実現し、搬出入の省力・効率化を進めている。26年7月7日に小池百合子知事が視察した。(加藤紀之介)
運用されているのはダイフクのパレット立体自動倉庫「コンパクトシステム」と、東京機械製作所のAGV。倉庫は高さ25㍍で、1400㍉×1200㍉のパレット296枚分収容可能。1階と2階に計5個の搬出入口を備えており、うち2階に設けたラインでAGVと連携している。搬出した荷物は固定荷役台へと運ばれ、フォークリフトによる荷役作業などが行われる。
設備を見学した都知事は「卸売市場は労働集約型で成り立ってきた。そこをどう無人化・自動化していくかが多くの市場で共通の課題。これからの市場の良いモデルとなってくれることを願っている。特に物流は人手不足に直面している中で、このような大元となるところが物流DXを進めることは広がりも大きいだろう。これからも期待できる取り組みを進めてもらいたい」と話した。
同市場では総合事務所棟の新設を控えている。将来的には新棟と連携し、ステーションを増やした上での本格的な運用を目指す。
また、ダイフクのイントラロジスティクス営業本部システムソリューション1部の正岡直樹部長は「知事から物流の課題を問われた際には、段ボールのサイズがさまざまで、パレットの種類もまちまちであり、これらの規格化が課題だ、とお話をした」と話した。自動設備の導入で、市場の課題を吸い上げつつ、課題解決に向けた開発を加速させる。

朝日通商(後藤耕司社長、高松市)が坂出第一高校やIPU環太平洋大学、地元企業、農業法人などと取り組んでいるスイーツ開発プロジェクト(PJ)「瀬戸内グローカルラボ」は7日、第2弾の商品開発に向けて坂出第一高(香川県坂出市)で試作発表会を開いた。環太平洋大学の学生や飲食店、農業法人らのメンバーが試作品を試食して意見交換を行い、香川県が「うどん県PR団」に任命している人気ゲーム「ポケットモンスター」のキャラクター「ヤドン」を使った商品開発を目指す方針を決めた。(江藤和博)
2025年5月から販売を始めた第1弾商品の「ハイスクールマフィン」は、坂出第一高の生徒らが親世代の消費者の健康を気遣い、脂肪の燃焼を促す希少糖を使用するなど「エシカル(倫理的)な親孝行スイーツ」をコンセプトに商品化。観光名所の栗林公園にある物産館「栗林庵」などに展開し、売れ行きは好調だ。
今回の試食発表会で朝日通商の後藤社長は「PJの商品開発はなかなかうまくいかないものだが、ハイスクールマフィンは初の成功事例。当社では荷主企業を表敬訪問した際に8個入りをプレゼントしているが、(親世代に当たる)物流部の担当者らは疲れ切っている。商品の趣旨を説明すると『おいしい』と本当に喜んでくれるし『第2弾はいつか』とよく聞かれる。疲れた親世代を元気付け、さらに喜んでもらえる商品を開発してほしい」と期待を寄せた。
試作品は、生徒らがグループに分かれて開発した「ジャムクッキー」「ドライフルーツのビスコッティ」「オリ茶クッキー」「金時さつまいものクイニーアマン」「じゃがりこ風せんべい」の5種類。各グループがプレゼンテーションを実施したが、いずれも販売のターゲットを定め、地元の食材やコメ粉を使うなど健康志向の強いお菓子で、賞味期限なども考えて開発した。
商品開発を主導する環太平洋大学の扇野睦巳特任准教授は「香川県の強みはヤドンのキャラクターを無料で使えること。競合品を調べながらヤドン推しで開発できないか」と提案。また、土産物店のメンバーは「ヤドングッズは1店舗で年間1千万円を売り上げるなど安定した人気がある」と述べ、数種類のお菓子を詰め合わせて販売するアイデアも示した。
香川県は、名物のうどんとヤドンの語感が似ていることなどから18年にヤドンを「うどん県PR団」に任命。県とポケモン(石原恒和社長、東京都港区)は「地域活性化に関する連携・協力協定」を締結し、ヤドンのキャラクター使用料は無料となっている。しかし、商品のデザインや内容などについて事前審査や承認が必要で、商品化までは時間やコストがかかるという。
資金面について、後藤氏は「生徒らが成果を上げるためなら一生懸命頑張りたい」と前向きな姿勢を示し、同席した金融機関の担当者も「しっかり支えたい」と述べた。
PJでは今後、月1回集まって商品のブラッシュアップを行い、27年中の商品化を目指す。
政治・行政
団体
物流企業
荷主
テック・サービス
インフラ
人材
調査・統計
その他
物流ニッポンからのお知らせ
-
このたび、物流ニッポンのホームページをリニューアル公開いたしました。
これまで2つに分かれていたホームページを1つに統合し、より分かりやすく、情報を探しやすい構成へと刷新しております。
また、紙面に掲載している記事を閲覧いただける数が大幅に増えました。
今後も利便性の向上と情報発信の充実に努めてまいりますので、ぜひご覧ください。 -
物流年鑑2023年度版 電子版の登録を2025/9/30をもって削除いたします。 2025/10/1より閲覧不可となりますこと、ご了承のほどよろしくお願いいたします。