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物流企業

戸畑物流、西港センターが満床に

戸畑物流(日向祥剛社長、北九州市戸畑区)が、北九州市小倉北区で開発を進めていたマルチテナント(複数企業入居)型物流施設「西港センター」が満床となり、顧客の物流効率化に貢献している。北九州市が物流拠点としての注目を集める中、同社は既存の常温倉庫だけでなく、地場ニーズの強い危険物倉庫や冷凍・冷蔵倉庫などの特殊倉庫を視野に、需要を見定めた「次の一棟」を模索している。(園川萌子)
西港センターは、鉄骨造り2階建てで、延べ床面積4万6千平方㍍の自社最大級の常温倉庫として、2024年9月に竣工した。
工業と物流の拠点である西港エリアに建ち、北九州市都市高速・日明ランプから1㌔、九州自動車道・小倉東インターチェンジから11・1㌔と立地に優れている。倉庫内部に中央車路を設けたほか、スロープで大型トレーラが2階部分に直接乗り入れできる仕様で荷役の効率化も目指した。
計画当時は「2024問題」を見据えた希少なマルチ型物流施設であり「北九州の物流拠点」として、竣工後すぐに引き合いがあると予測していたが、新型コロナウイルス禍明けの物流の在り方や24年問題への実際の対応、営業の難しさなどから「1年半は誘致に苦戦した」(日向啓剛副社長)。竣工時に1階にアマゾンが入居し、その後2階に安川電機のグループ会社が入居したことで、26年4月に満床稼働を迎えた。
拠点集約に役立つことに加え、庫内に工場機能を持たせることで製品を工場へ戻す手間を削減するなどし、顧客の物流効率化を後押ししている。
北九州は、製鉄・化学工場の集積地のため危険物倉庫の引き合いが多く、冷凍・冷蔵倉庫の問い合わせもあると日向氏は語る。そのため、今後は常温以外の特殊倉庫の計画も検討する。また、地元の基幹産業である鉄鋼メーカーが「高炉から電炉」へ転換するタイミングを注視しており、原材料の変化に伴う新たな物流需要を見定めたいという。
近年、北九州市の立地特性が注目され、大手ディベロッパーによる大型の物流施設計画が目立っている。日向氏は「大手の発信力で北九州エリアへの注目が高まることで、自社に目を向けてもらう好機になる」と歓迎しつつ、動向は注視したいと言い「北九州は九州全域に加え、中国地方にも手が届くエリア。その上、陸海空の輸送インフラが整った数少ないエリア。物流の流れや時代の流れを見定めて、より良い形で新しい倉庫を計画する」と話している。

SBSロジコム(鎌田正彦社長、東京都新宿区)はSBSグループのEC(電子商取引)物流事業の拡大をけん引する。コア事業の3PL(サードパーティー・ロジスティクス)事業から派生した需要の取り込みに加え、中堅・中小の荷主企業に焦点を当てたプラットフォーム事業を強化する。
EC物流は総合物流企業として欠かせないサービスと位置付け、グループ各社とも連携を図りながら事業の拡大を推進。対応力や資本力、知名度を強みに顧客の期待に応えている。
中核拠点の野田瀬戸物流センターA棟(千葉県野田市)をはじめ、全国に構える100カ所程度の拠点を活用するとともに、WMS(倉庫管理システム)や最新のマテハンを駆使。ECサイトの構築から商品の入出荷まで多様な業務を包括的に受託している。
荷主企業のECビジネスを支援する営業開発本部Eコマース営業開発部では、年商が2億円から100億円の中堅・中小の事業者を主要なターゲットに選定。顧客のEC事業を効率的・迅速に支援しており、この2年で化粧品、健康食品、雑貨を中心に53社の案件を立ち上げている。
同社のEC物流事業の売り上げのうち、Eコマース営業開発部は50億円程度を占めている。今後もさらなる業容の拡大を志向しており、売り上げは3年後から5年後に現在の4倍となる200億円まで引き上げる構想だ。
エンターテインメント業界へのアプローチにも注力しているほか、Eコマース営業開発部の人員は現在の15人を2027年にかけて計20~30人に増やす。競争力の源泉の一つと認識するWMSは、これからも段階的に機能を拡張。これ以外にもロボットを活用したソリューションの強化や、グループが有しているラストワンマイル機能の一層の拡充をテーマに挙げる。
Eコマース営業開発部の大森茂部長は「日本経済が縮小していく中、EC市場はこれからも伸びていく。EC化率はいずれ20%を超えるとみている。EC物流事業をリードする立場として、チームづくりを推し進める。5年後を目標に当社がEC物流事業でナンバー1の地位を築きたい」と話している。(澤田顕嗣)

東急不動産(田中辰明社長、東京都渋谷区)とT2(熊部雅友社長兼CEO=最高経営責任者、千代田区)は14日、自動運転トラックで本州と九州を結ぶ広域輸送ネットワーク構築に向け、北九州市と連携協定を締結した。「レベル4」(L4、特定条件下での完全自動運転)の自動運転実現に向け、2027年末に同市で竣工予定の物流施設を自動運転トラックの切り替え拠点として活用するなど連携を進める。(園川萌子)
協定締結式が北九州市役所で開かれ、東急不の佐藤公俊インダストリー事業本部長、熊部社長兼CEO、北九州市経済産業局の山口博由企業誘致・農林水産担当理事が署名を交わした。自動運転トラックを用いた事業者が参画する官民連携協定は全国初となる。
山口氏は「(ドライバー不足という)『運べない危機』を北九州市から救う大きな変革が始まる。深刻な社会課題を成長へのチャンスに変える両者の取り組みを強力にバックアップしていく」と歓迎した。
25年10月に東急とT2が事業締結を結んでおり、北九州市を加えた3者により、関東・関西と九州をつなぐ次世代物流ネットワークの構築を加速させるのが狙い。市は、許認可、規制緩和に向けた国や県などとの協議、地域住民への周知を行う。
T2では、27年度にレベル4トラックによる幹線輸送サービス開始に向け、実証を進めてきた。26年春にはドライバーがトラックに乗り降りする切り替え拠点「トランスゲート」を神奈川、兵庫の両県に設置した。
将来的な九州圏への延伸を踏まえ、東急不動産が小倉南区で開発する「LOGI'Q(ロジック)小倉東PJ(仮称)」を含めた物流施設を「トランスゲート」とする。同物件は、九州自動車道・小倉東インターチェンジ(IC)から2㌔に位置する、2階建て延べ床面積3万5千平方㍍の物流施設で、27年12月の竣工を予定。無人・有人運転の切り替え拠点として活用するとともに、入居企業向けの運行への検討を進めている。
熊部氏は、27年度に関東-関西でL4の自動運転トラックによる幹線輸送を確立させた後に、九州圏への運行区間延伸を目指すとしている。さらに、九州全域での自動運転ネットワークの広がりについて「北九州市から西側、あるいは南側と、将来的な延伸はあり得る」と言及。その上で「北九州市は九州の玄関口であり、IC至近の大規模な物流施設や産業団地があるなど立地の特性が有利な土地。パートナーである東急不動産と共に、九州でどのように広げるべきか協議したい」と語った。

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