王子物流、海上輸送新ルート
王子物流(塩澤実社長、東京都中央区)は新たな海上・内航輸送ルートを開設した。内航はしけ輸送と王子物流グローバルロジスティクスセンター船橋(OGLC船橋、千葉県船橋市)を組み合わせることで、物流効率の大幅な向上と環境負荷の軽減を同時に実現。これに伴うセレモニーを、OGLC船橋で5月28日に開催した。
今回の取り組みはフィリピンで製造された一条工務店グループ向け住宅部材の国内輸送を改革するのが主眼で、パートナー4者(日本産業、H.R.D、DP World、横浜はしけ運送事業協同組合)と連携してスキームを構築。内航はしけ輸送を駆使した新たなルートを整備することにより、京浜地区の主要港の混雑回避と積み替え作業の削減などに結び付ける。
一条工務店グループ向け住宅部材は日本への直行便が不足していることから、これまで韓国や中国を経由した後に京浜地区の主要港から各倉庫に届けていた。このため、積み替えに要するコストや輸送日数の増大を余儀なくされていた。
今回の枠組みはDP Worldが海外と国内の海上輸送を一括管理することでシームレスな供給網を整備。コストの低減とリードタイムの短縮も図るとともに二酸化炭素(CO2)排出量を削減するなど環境負荷の軽減にも貢献するのが狙いだ。
フィリピンで船積みされた貨物は京浜港に到着すると、はしけで千葉港(旧船橋港)など納入先に近い港へ輸送。OGLC船橋にはプライベートコンテナヤードも設置しており、陸揚げは王子物流の協力会社が行い、別の協力会社が京葉地区の保管倉庫までトレーラで運ぶ。
王子物流の鈴木宏昭営業統括本部長は「陸上輸送から海上・内航輸送へのモーダルシフトを加速させていく。それによりトラック輸送に比べてCO2排出量を大幅に削減する。港湾混雑を緩和して荷役効率の向上や物流コストの最適化も期待できる。今後も国内外の港湾ネットワークを最大限に活用しながら、ルートの拡充を進めていきたい」と話した。(澤田顕嗣)


日本郵便(小池信也社長、東京都千代田区)とT2(熊部雅友社長兼CEO=最高経営責任者、同)は5月29日、日本郵便による関東―九州の運行のうち、関東―関西の高速道路の一部区間で、T2の自動運転トラックを活用した中継輸送の実証を行った、と発表した。「切替拠点」での荷物の積み替えも初めて検証。自動運転トラックの活用の可能性を広げていく。(田中信也)
日本郵便は、T2が2027年度以降の開始を目指すレベル4(L4、特定条件下での完全自動運転)トラックによる幹線輸送サービスの実現に向け、25年7月から開始したレベル2(L2、特定条件下での高機能自動運転)トラックでの商用運行に、西濃運輸(髙橋智社長、岐阜県大垣市)と共同でいち早く参画。26年1月からは単独便も運行している。
こうした中、L4が実現した際に自動運転トラックの活用の可能性をさらに広げるため、中継輸送を行う一連のオペレーションの実証を5月11~13日に実施した。日本郵便が貨物を輸送する神奈川西郵便局(神奈川県海老名市)・川崎東郵便局(川崎市川崎区)―熊本北郵便局(熊本県菊陽町)・新福岡郵便局(福岡市東区)のうち、東名高速道路・綾瀬スマートインターチェンジ(IC、神奈川県綾瀬市)―山陽自動車道・神戸西IC(神戸市西区)の500㌔の区間にスワップボディータイプの自動運転トラックを組み込み、走行ルート・走行リードタイム、想定したオペレーションパターンの有効性について検証した。
スワップボディータイプのトラックを使った運行では、切替拠点でコンテナを移し替えるオペレーションの確立が不可欠となる。このため、今回の実証では初めて切替拠点として神戸西IC付近に開設した「トランスゲート神戸西」(同)で、自動運転トラックと日本郵便の通常のトラックの間でT2のコンテナを移し替えるオペレーションを検証した。
両社は、今後も中継輸送での自動運転トラックの活用に継続して取り組み、有効性が確認できれば定期的な運行への移行を検討。L4に必要なオペレーションの構築に向けた連携をさらに深めていく、としている。

和歌山県農業協同組合(JAわかやま、坂東紀好組合長)は5月28日、ありだ地域本部のAQ選果場(和歌山県有田川町)で、青果物をPRするラッピングトラックの出発式を行った。県内の青果物を輸送する運送事業者9社が協力し、色鮮やかな12台が勢ぞろい。京浜、京阪神地区をはじめ全国を走行し「走る広告塔」として県産品の魅力を発信する。
JAわかやまが輸送の協力会社に依頼し実現。「わかやま、そのまま。」をキャッチフレーズにした春夏秋冬の4バージョンのデザインがあり、それぞれのデザインを季節ごとに3台ずつ、トラックの背面に施した。
坂東組合長は「農業に関する課題は多く、厳しい状況ではあるが、生産者は愛情を込めておいしい農産品を育てている。日頃から全国各地へ安全に運んでくれている運送事業者の皆さんに感謝しており、今回、背面にラッピングしたことで農家の思いも背負っていると改めて感じてもらいつつ、さらに安全運転を心がけてほしい」と強調した。
運送側を代表し、農協物流わかやま(JA物流わかやま)の橋詰久幸社長は「物流業界も燃料価格高騰など課題が山積みだが、皆さんの力を借りて乗り切っていきたい。JAの看板を付けたからには事故防止に一層注力し、県産品のアピールに貢献する」と述べた。
坂東氏、橋詰氏らがテープカットを行い、JA職員やマスコットキャラクターもラッピングトラックの出発を見送った。また、運転するドライバーに、日頃の感謝を込めて花束を贈った。
ラッピングに協力した酒本運送の阪本享三会長(和歌山県トラック協会会長)は「ラッピングトラックは走らせるだけで宣伝になる。県産品の輸送を担いつつ、魅力発信でも役立てられれば」と話した。
協力した運送事業者は次の各社。
農協物流わかやま(4台)▽西幸貨物運送(1台)▽大十(同)▽丸久運輸(同)▽四郷運送(同)▽酒本運送(同)▽内田運送(同)▽旭運送(同)▽丸見運輸(同)
(根来冬太)
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