24年問題に対応するため、官民で物流改善に向けた取り組みを加速度的に進めてきた。ドライバーへの時間外労働の上限規制適用の4月を迎えたからといって、問題が全て解決されることはない。政府やシンクタンクが「30年に34%の荷物が運べなくなる」と試算する「30年危機」を現実にしないため、不断の取り組みのアップデート「物流改新」が求められる。
記事連載
Gメン合同パトに密着㊦、管轄外で初の「働きかけ」
西日本の各運輸局に属するトラックGメンが9月26日、2日連続の合同パトロールの最終日に臨み、大阪府の荷主に対して「働きかけ」を行った。管轄外の荷主に直接働きかけを行うのは初の試みで、長時間の荷待ちが…
Gメン合同パトに密着㊤、4運輸局連携 初の試み
トラックGメン(トラック荷主特別対策官)の活動が新たな局面を迎えている。近畿、中国、四国、九州の各運輸局に所属するGメンが9月25、26の両日、大阪府で合同パトロールを実施。西日本4運局連携による初…
「送料無料」表示見直し、国民意識醸成に効果
「2024年問題」に対応するため、政府が打ち出した宅配の再配達率半減の達成に向けたポイント還元や通販での「送料無料」表示見直しの方向性は、消費者からも大きな関心を集めた。総物流量で宅配便が占める割合…
CLO選任義務化、更なるSC効率化見込む
4月26日に成立した物流効率化法で、大手荷主には物流に関する役員クラスの責任者の選任が義務付けられた。CLO(チーフ・ロジスティクス・オフィサー=最高物流責任者)とも称され、既に取り入れた荷主もある…
軽貨物事業適正化、参入増加し事故件数⤴
「2024年問題」に対応するドライバーの労働環境改善の流れは、急拡大するEC(電子商取引)向け貨物を運ぶ貨物軽自動車運送事業者にも及ぶ。軽トラックの交通事故が急増する中、国土交通省は「軽貨物安全管理…
共同配送、「競争しない」一般化へ
「2024年問題」対策で積載率の向上が求められる中、様々な業界で共同配送の取り組みが進んでいる。運用体制を工夫したり、モーダルシフトを活用したりして更なる効率化に成功している事例もある。人手不足など…
ダブル連結トラック、積載率向上へ取り組み
「2024年問題」対策で、政府は積載率の向上を重要課題に挙げている。ドライバー1人でトラック2台分の荷物を運ぶことができるダブル連結トラック(全長21㍍超フルトレーラ)の取り組みが注目されているが、…
物流DX・標準化②、省力化むけ技術革新進む
働き手不足が進む一方、省力化に向けた技術革新も進む。政府が「物流革新に向けた政策パッケージ」で主要施策に打ち出す物流のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進では、自動運転の実現や、ドローン(…
物流DX・標準化①、「新時代」見据え活発化
総務省の人口推計によると、2050年に国内の生産年齢人口は5275万人まで減少すると見込まれ、様々な社会的・経済的課題の深刻化が懸念されている。少子高齢化が加速する中、効率化に向けたパレチゼーション…
モーダルシフト、CN対応で輸送量倍増へ
物流効率化の具体策として取り上げられることが多いモーダルシフト。カーボンニュートラル(CN、温暖化ガス排出量実質ゼロ)への対応も踏まえ、政府は鉄道と船舶による輸送量の倍増を目指している。一方、198…
トラックGメン、働きかけ・要請飛躍的⤴
荷主へのプッシュ型の情報収集により「働きかけ」「要請」の件数を飛躍的に増やし、初の「勧告」を2件行うなど業界内外から注目されているトラックGメン。一方、荷主のネガティブな情報を提供することに抵抗感を…
新たな標準的運賃、実運送ファースト歓迎
「2024問題」に対応するために告示された新たな標準的な運賃では、「積込料・取卸料(荷役料)」や下請け手数料率などを新たに設定した。トラック運送事業者は、ドライバーの賃上げの原資となる適正運賃収受の…
多重下請け構造是正、取引「2次」まで制限へ
物流業界の多重下請け構造は、適正取引を阻害する要因として長らく問題視されてきた。通常国会で審議中の貨物自動車運送事業法の改正案では、元請運送事業者に、実運送事業者の社名などを記載した「実運送体制管理…
荷主への規制的措置導入、「共同責任者」自覚を 協力体制構築 最初の関門
ドライバーへの時間外労働の上限規制が1日から適用された。「2024年問題」に対応するため、官民を挙げて物流改善の取り組みを加速度的に進めてきたが、着荷主も含めた荷主に対し、物流負荷軽減の規制的措置を…