トナミ運輸とJPロジ、横浜・金沢に共同施設
トナミ運輸(髙田一哉社長、富山県高岡市)とJPロジスティクス(安達章社長、東京都千代田区)は1日、横浜市金沢区に共同の複合物流施設を開設した、と発表した。日本郵政グループ内の物流拠点強化の第1弾で、周辺エリアでの共同配達や両社間での貨物引き渡しによる路線便の運行経路見直しなどを実施。グループの物流機能の最適化と効率化を図っていく。
2025年4月の日本郵便(小池信也社長、同)によるトナミ運輸の連結子会社化を契機に、トナミ運輸とJPロジはグループ内でのシナジー創出を目指し、協業に向けた議論を重ねてきた。
その結果、グループ一体での物流機能の拡充・強化と、物流業界の人手不足問題に対応する形で両社のリソースの有効活用を図るため、グループ内拠点の共同化を進めることとした。
これまでも岐阜県などで、既存の隣接拠点での共同配達を先行的に行ってきたが、今回、流通センター機能を兼ね備えた新たな複合拠点施設「新横浜事業所」を整備し、トナミの横浜営業所(横浜市戸塚区)とJPロジの横浜支店(金沢区)を移転。両社の共同拠点として6月22日から稼働させた。
新横浜事業所は、首都高速道路湾岸線・幸浦インターチェンジ(IC)から2・7㌔、横浜横須賀道路・並木ICから3・6㌔、横浜港の本牧ふ頭から18㌔に位置。特に神奈川・東京エリアへの配送効率に優れ、両社の物流ネットワークを生かした全国配送にも適した立地となっている。
延べ床面積は4万3700平方㍍。1階の前面はトナミ横浜支店、JPロジ横浜支店として、トラックバース30台分(片面ホーム)を設置した。1階の後面と2階は新設のトナミ運輸の横浜流通センターが入居する(倉庫面積3万6600万平方㍍)。
施設開設に合わせ、両社は共同配達を開始した(集荷は原則各社で対応)。横浜市の南、保土ヶ谷、港南、栄の各区と横須賀、逗子、三浦の各市、葉山町はトナミ、横浜市の西、磯子、戸塚、旭、泉の各区と鎌倉市はJPロジが担当。横浜市の神奈川、中、金沢の各区は両社で引き続き配達する。なお、新横浜事業所の担当以外の神奈川東部エリアについても、両社の共同配達体制を構築している。
また、路線便の運行経路も見直した。両社の得意領域を生かし、九州方面の貨物はJPロジ、北陸信越方面の貨物はトナミの車両に載せ替え、中継輸送を行っている。
両社と日本郵便は7月1日、新横浜事業所を報道陣向けに公開。日本郵便総合物流戦略部の仲谷重則企画役は「ドライバーの拘束時間やリードタイムの削減などにつながる。今後も可能なケースがあれば、共同拠点の開設を検討する」と話している。(田中信也)


磐栄HD、モルト粕で循環型農業
磐栄ホールディングス(BHC、村田裕之社長、福島県いわき市)傘下の農業生産法人、磐栄アグリカルチャー(村田社長、同)は、福島と東京をつなぐ循環型農業に取り組んでいる。クラフトビールの製造や飲食店経営を行う東京の企業とコラボレーションし、ビール醸造時のモルト粕{{かす}}を有効活用する。5月からプロジェクトが本格始動している。
従来、産業廃棄物として処分されていたクラフトビールのモルト粕を購入。委託を受けた磐栄運送(加藤正社長、同)のトラックがモルト粕を引き取り、福島県で和牛の繁殖を手がけるベルファーム(鈴木立樹社長、福島県塙町)に持ち込む。ベルファームではモルト粕を飼料として和牛を育て、その肉は東京の人気レストランで提供される。赤身も脂身もどちらも楽しめる肉を目指す。
また、この和牛の牛ふんもたい肥として、磐栄アグリカルチャーが購入し、所有する農園の土壌改良剤として活用する。ここで育てたオリーブを使ったオリーブオイルのほか、ブルーベリーやシャインマスカットが、同レストランで楽しめる。(稲井日菜子)

エムケー、カンボジアで食品輸送
エムケー(松川慎社長、広島県東広島市)は7月中をメドに、カンボジアで物流事業を開始する。現地のパートナー企業と合弁会社を設立し、首都プノンペンで食品輸送を展開。日本の高度な物流サービスを提供して現地の物流ニーズに応え、10年後には年間売上高50億円の事業規模を目指す。(矢野孝明)
カンボジアの財閥系グループの大手物流会社と3月10日、合弁会社設立に向けた調印を現地で交わした。エムケーは出資比率51%で主導権を持ち、松川社長が社長に就任。社名はエムケー・ダブル(MKW)を予定している。
エムケーは前段階として、国際協力機構(JICA)が開発途上国の課題解決に貢献する日本の民間企業のビジネスづくりを支援する「中小企業・SDGs(持続可能な開発計画)ビジネス支援事業(JICA Biz)」に応募。「カンボジア国物流事業実現に向けたニーズ確認調査」を提案、採択され、2025年5月からカンボジアの物流事情について調査していた。
合弁会社のパートナーとなる現地の物流会社とは、JICAを通じて25年12月に交渉がスタート。松川氏のプレゼンテーションや熱意が伝わり、エムケー主導で設立、運営する運びとなった。
松川氏は「カンボジアは経済発展に物流が追い付いておらず、小売店や飲食店の出店拡大などに対応できていない。中でも、定温を含む食品の4温度帯の物流環境が未整備で、品質に対して価格が高い」と指摘。物流センター建設も視野に入れ「スーパーマーケットや外食系などへの輸配送網を築き、日本のようなきめ細かい物流サービスを提供する」と意気込む。
エムケーは県内外で複数の物流センターを運営し、入庫から保管、仕分け、配送まで一貫した物流サービスを提供している。また、海外では、ミャンマー第2の都市マンダレーに設立したミャンマーエムケーヘラクレス(MMH)を基軸に国際物流事業を推進。開発途上国でも、流通プロセスにおける物流のノウハウを培ってきた。これまでの経験値や現地調査から、10年後には年間売上高50億円を目指す。
松川氏は「カンボジアは政治リスクが比較的少ない親日国で、平均年齢も若く労働力が豊富だ。信頼関係を重んじる国民性なので、期待に迅速に対応したい」と話している。
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