【火曜リポート】コンパス普及、東西で差
コンテナの搬出入予約システム「CONPAS(コンパス)」の導入が京浜港、阪神港で進んでいるが、普及状況や運用方法に両港で差が開いている。横浜港ではコンパスによる予約を原則とするコンテナターミナル(CT)も出てきているが、阪神港では利用率を伸ばす段階。京浜のほうが渋滞が深刻で危機感が強かったことや、先行して導入へ取り組み始めたことなどが影響しているとみられる。(根来冬太、吉田英行)
京浜港では、横浜港で2018年にコンパスの試験運用を開始。21年3月からは南本牧ターミナル(横浜市中区)で一部予約の常時運用をスタートさせた。その後、実証実験を重ね、26年7月13日からは本牧BC2ターミナル(同)で予約必須の「原則予約」の常時運用を始めた。
東京港では22年に試験運用を開始し、25年8月から大井コンテナふ頭(東京都品川区)の1、2号ターミナル、26年1月からは3、4号ターミナル、3月には大井6、7ターミナルでそれぞれ一部予約制の常時運用を行っている。
加えて、横浜港本牧ふ頭(横浜市中区)のD4、東京港の青海コンテナふ頭4号(東京都江東区)、中央防波堤外側ふ頭Y1(大田区)でも早期導入を目指して調整中で、D4では原則予約の常時運用とする方針。また、26年度は横浜港本牧ふ頭BC1、D1、D4の各ターミナルで、原則予約の試験運用を行う予定だ。
京浜港のコンパス利用登録済み陸運事業者数は、常時運用が開始された21年3月時点で58者だったが、25年12月末時点で過去最多の450者に増加。特に、24年12月からの1年間は128者増えている。一方、阪神港のみの登録店社は25年12月末時点で59者にとどまる。
京浜港で普及が進んでいることについて、関東地方整備局港湾空港部の古川雄大・港湾高度利用調整官は「18年から先行して試験運用を始めており、歴史がある。海コン事業者も慣れてきており、システムへの信頼も高まっていることが要因と考えられる」と分析。
また「『2024年問題』を受け、労働時間短縮に向けコンパスに対する期待が高まったことも背景にある。京浜港は阪神港に比べゲート前の渋滞が深刻だったこともあり、コンパス導入による待機時間削減効果も大きかった。横浜港では特に、神奈川県トラック協会海上コンテナ部会(藤木幸二部会長)の協力も大きい」とみている。
阪神港のコンパスは、24年3月から大阪港夢洲(ゆめしま)CT、9月に神戸港PC―18CT、26年3月には神戸国際コンテナターミナル(KICT)でそれぞれ実運用が始まった。
近畿地方整備局と阪神国際港湾(木戸貴文社長、神戸市中央区)は、将来的に阪神港の全CTで運用したい考え。ただ、海コン輸送事業者の利用が少ないと、トレーラの到着時間を事前に把握してコンテナの荷繰り準備を行えるという機能を十分に果たせない。
阪神国際港湾の担当者は「コンパスの予約が必須となるCTは阪神港には現在なく、将来的にそうする方針も今のところ出ていない。現在は普及促進に努めている」と説明する。
近畿地整局の担当者も「原則予約にする予定は現在ない。利用料金についても有料化するかどうか決まっているわけではなく、現在は無料で活用できる。引き続き利用者増加に取り組んでいく」という。
阪神港の海コン輸送事業者は、コンパスの利用に慎重な態度を示していた。兵庫県トラック協会海上コンテナ部会の小西保美部会長は「実際に自分がコンパスを利用した時に、非コンパス利用者とターミナルを出る時間は変わらなかった」と指摘。
部会の役員からも「海コン輸送事業者側は予約した時間に到着しなければならないのに、CT側に何時間待たされるか分からず、長時間待機しても何の補償もないのは都合が良すぎる」との意見も出た。
ただ最近、風向きが変わりつつある。阪神港海上コンテナ協会(佐賀里隆之代表理事)は6月24日の理事会で、26年度の活動方針にコンパスの普及推進を挙げた。佐賀里氏は「現在のところ、メリットに対し、事務作業の増加や到着時間の指定という負担のほうが大きく感じられ、運用方法の協議は今後も続けていく必要があるが、まずは利用登録をしてほしい」と呼びかけた。
海コン輸送ではCTでの待機が問題となっており、車両の到着時間を把握し、荷役を効率化する取り組みは有効と考えられる。先行する京浜港の知見を阪神港で取り入れ、効果を紹介するなど、輸送事業者がよりメリットを感じやすくすることが重要になりそうだ。
輸送事業者も「利用者が増えることで機能が一層発揮され、待機時間がさらに減る」という将来の可能性を見据え、関係者と手を取り合って対応を進めていくことが課題解決に必要ではないだろうか。


首都高料金改定、中型車以上、来夏に延期
首都高速道路は、10月に予定している首都高の料金改定について、中型車以上を2027年7月に延期する。一方、料金改定と併せて31年3月まで継続するとしていた大口・多頻度割引は、中型車以上を対象に30年7月から最大割引率を45%から25%に縮小する。9日、トラック運送事業者への価格転嫁の影響を考慮した特別措置案として公表。意見募集を経て、国土交通相への届け出など改定の手続きを進める。
近年の急激な労務費・材料費の高騰や激甚化する災害などに伴う維持管理コストの増大に対応するため、同社は、25年12月に料金改定案を公表。26年10月の改定に向け、事業変更許可申請などの手続きを進めている。
他方、25年12月の改定案公表後の意見募集で、政府がトラック事業に関する法改正などを実施し、顧客(荷主など)への価格転嫁に向けた環境整備を進めている中での値上げとの関係性を問う意見があった。
トラックなど道路運送事業は国民生活を支える重要なインフラであることから、首都高は、顧客への価格転嫁の重要性を踏まえ、今回の料金改定の実施に当たり、高速道路の持続的な運営や、他の利用者との公平性を確保しながら実施可能な具体的措置の検討を進めてきた。
その結果、中型車、大型車、特大車を対象とした当面の特別措置案を取りまとめた。7月24日まで意見を募る。顧客への価格転嫁の環境整備が一層進むとされる27年6月末まで9カ月間、1㌔当たりの料金を現行料金に据え置く。なお、27年7月から中型車330~2520円、大型車400~3410円、特大車550~5570円に改定する。
一方、中型車以上を対象に、今回の料金改定と併せて31年3月末まで継続するとしていた大口・多頻度割引について、30年7月~31年3月末に、割引率の拡充幅を縮小する。車両単位割引と契約単位割引を合わせた最大割引率を45%から25%に引き下げる。なお、31年4月以降の最大割引率は12%になる予定。(田中信也)

TNS「SーRENT」、ポンプ車レンタル開始
タカネットサービス(TNS、西口高生社長、横浜市西区)はスカニアトラックレンタルサービス「S-RENT」に特装車を追加し、建設現場向けにも対応できる体制を構築する。3日にTNS東日本車両センター(栃木県大田原市)で納車式を開催した。建設機械メーカーのプツマイスタージャパン(千葉県八街市)の岡勇樹社長と共に特装車第1号となるコンクリートポンプ車を披露した西口社長は「今後は取引先から『これしかない』と言われる車両も扱いたい。プツマイスター製品はまさにそうした車両だ」と述べた。
S-RENTはスカニアの最新型車両「SUPER」を使った国内初のレンタルサービスで、最長2年間、運送事業者などに車両を貸し出している。今回、ラインアップに加わったコンクリートポンプ車は、プツマイスター製「ウルトラロングブームコンクリートポンプ車BSF38-5・16H」。プツマイスターはドイツ発祥の建設機械メーカーで、コンクリートポンプなどのトップブランドとして製品を供給している。
導入したポンプ車は全長38㍍の5段ブームを装備し、車両総重量25㌧の規制内では最大級の出力を持つ。国内メーカー製ポンプ車よりも狭い幅でアウトリガーを展開でき、都市部の高層ビル建設工事などで高い需要がある。
納車式で、岡氏は「建設業界では人手不足によって、生産性向上と工期短縮が求められている。高出力コンクリートポンプ車は高額でありながら、高層建築などでは必須の建機。TNSからレンタルという新しい供給方法を提案され、そこに乗った」と車両開発の経緯を紹介。今後の展開に対し「ポンプ車は需要過多で供給が追いつかない状況。長期修繕での代車など、多様なニーズに対応していける」と自信を示した。
西口氏は「この車両は納車とともに利用者が決まった。2台目の導入も既に計画している。われわれは、自社購入中心だった商用車の世界に『一時的に借りる』という形態を提案し、新しい市場を形成してきた。2025年度の取引額は過去最高となった。さらに拡大を目指す」と意気込みを語った。
(佐々木健)
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