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物流企業

大川運輸、全拠点に自動点呼導入

大川運輸(大川博行社長、茨城県鹿嶋市)は、本社と6営業所の全拠点に自動点呼を導入し、運行管理の効率化と省力化を進めている。基幹システムとの連携による労働時間管理の高度化も実現。今後は点呼時に取得する血圧データなどを活用し、社員の健康管理にもつなげたい考えだ。(吉田英行)
業務前点呼での先行運用などを経て、2025年から段階的に各拠点へ導入。全拠点で業務前・業務後の自動点呼について運輸支局への届け出を済ませ、運用要件を満たしている。
採用したのは、ナブアシスト(江口大介社長、前橋市)のクラウド型点呼システム「点呼プラス(ロボット版・デスクトップ版)」。点呼ロボットは本社に6台、各営業所に1台ずつ設置した。
本社は24時間体制で運行管理者が常駐しており、操作ミスや機器トラブル、大幅な帰庫遅延などが発生した場合には、本社では対面点呼、営業所では本社からの遠隔点呼へ切り替える体制を整えている。
ドライバー430人を抱える同社は、トラックやトラクタ、トレーラシャシーを含め千台を保有。これまでは1日当たり900~千回の点呼を対面で実施しており、運行管理者の負荷が大きかった。加えて、早朝や夜間の点呼対応に伴う人件費も課題となっていた。
自動点呼の導入により、夜間や休日の運営コスト削減に加え、運行管理者の業務効率化を実現した。点呼担当者による手順や品質のばらつきも解消され、統一した基準で法令順守を徹底できるようになった。
導入当初はドライバーから戸惑いの声もあったが、3カ月で全員が操作を習得。音声ガイダンスに従って画面操作を行うため高齢者にも使いやすく、71歳のベテランドライバーも問題なく利用している。中には点呼終了後にロボットと笑顔で握手するドライバーもいるという。
導入の決め手は、自動点呼だけでなく遠隔点呼にも対応できることだった。操作性の高さやコンパクトな機器設計、導入コストの妥当性も評価した。
同社は点呼システム、出退勤システム、デジタルタコグラフから取得した情報を基幹システムに集約。労働時間を一元管理し、改善基準告示に抵触する恐れがある場合はアラートを発する仕組みも構築した。
輸送安全推進部の佐々木このみ主任は「労働時間の状況が一目で把握でき、ドライバーごとに今月あと何時間乗務できるかも即座に確認できる。待機時間の短縮について荷主へ改善を求める際の根拠にもなる。集計や転記作業も減り、事務職の労働時間削減にもつながっている」と話す。
一方で課題も残る。長距離運行で必要となる中間点呼は自動点呼の対象外で、運行管理者がドライバーの疲労状況や道路状況を直接確認しなければならない。また、自動点呼は事前予約制のため、渋滞や荷待ちによる帰庫時間の変動に対応しにくい側面もある。
酒井和明執行役員は「業務前点呼は問題ないが、業務後点呼は渋滞や荷待ちの影響で予約時間に間に合わないことがある」と指摘する。
今後は、自動点呼時に取得した血圧などの生体情報を活用した健康指導も視野に入れる。業務前の自動点呼では体温や血圧などのバイタルチェックが実施要件となっており、継続的な健康管理に活用できる。
大川社長は「自動点呼導入後、自身の血圧の平均値に関心を持つドライバーが増えるなど健康意識が高まっている。取得した情報を健康指導に生かし、長く安心して働ける環境づくりにつなげたい」と話している。
さらに、自動点呼に続くDX(デジタルトランスフォーメーション)施策として、AI(人工知能)配車の導入を検討。大川社長は「人手不足で配車担当者の確保も難しくなっている。既存の基幹システムを活用できる仕組みで、早ければ年内にも実現したい」と意欲を示している。

テック・サービス

マツダ×日通、HVO燃料実装へ実証

マツダと日本通運(竹添進二郎社長、東京都千代田区)は完成車の輸送に、水素化処理植物油(HVO)を燃料にしたバイオディーゼル車両を使った実証実験を行う。軽油の大口利用者である運送業界でのHVO燃料の認知度向上が目的。本実証では、燃費やエンジン性能の変化、燃料の取り扱いの違いといった運用課題を洗い出す。実証期間は5月から2027年3月までを計画している。(田中寛之)
両社は50年までにカーボンニュートラル(CN、温暖化ガス排出量実質ゼロ)社会の実現を目指す。今回の実証は軽油の大口利用者である物流業界でHVO燃料の認知度を高め、社会実装を加速させることを目的としている。ルートは防府西浦工場(山口県防府市)―中関完成車プール(同)の往復12㌔で、2台がそれぞれ1日に20往復する。HVO燃料を使用することで燃費やエンジン性能の変化、燃料の取り扱いの違いなどの運用課題を検証する。今後は完成車だけでなくサプライヤーからの部品の輸送にも使用を拡大していく。
今回の実証に使用する燃料はユーグレナが開発した、軽油にHVOを51%混合したバイオディーゼル燃料。二酸化炭素(CO2)の排出量を通常の軽油と比べ50%削減できる。軽油との価格差はマツダが負担し、調達などのハンドリングは日本通運が行う。
マツダ経営戦略本部カーボンニュートラル・資源循環戦略部の深川健氏は「HVO燃料は既存の車両やガソリンスタンドなどのインフラが使える。社会全体のコストで考えるとバッテリー電気自動車(BEV)やFCV(燃料電池車)よりも優れている」と話す。また、日本通運の佐々木治・執行役員モビリティセールス部担当は「高価なHVO燃料を使用することによる物流コスト上昇には、顧客の理解が不可欠」と課題を語る。

大阪ガス都市開発(橋口博一社長、大阪市中央区)は1日、大阪府高槻市でマルチテナント(複数企業入居)型物流施設「高槻市物流施設プロジェクト(仮称)」を着工した、と発表した。地上4階建てで、延べ床面積が2万2600平方㍍。大阪ガス都市開発の単独事業としては初の物流施設開発案件となる。2027年10月に竣工する。
名神高速道路と新名神高速道路の高槻インターチェンジ(IC)まで6・7㌔、名神・茨木ICまで9・3㌔、近畿自動車道摂津北ICまで6・7㌔と、三つの高速ICに近い。
ボックス型のマルチテナント型ドライ倉庫で、分割賃貸に対応可能。テナントのニーズに応じて将来的に垂直搬送機を追加可能な設計としている。1階には18台のトラック接車が可能な屋内バースを確保する。
働きやすさにも配慮し、ドライバー休憩室の設置に加え、外構には休憩可能な自主管理公園を整備。また、屋上に太陽光パネルを設置するなど、環境に配慮した取り組みを推進する。BCP(事業継続計画)対応として、非常用発電機や備蓄倉庫も備える。
大阪ガス都市開発は、三井不動産との共同事業「MFLP・OGUD大阪酉島」から物流施設事業に参画。今後、関西圏・関東圏を中心に、冷凍・冷蔵食品の消費量拡大や30年のフロン規制対応に伴う既存倉庫の建て替えなどの社会的ニーズに応えるため、冷凍・冷蔵倉庫の開発事業にも注力する。(根来冬太)

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