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ホワイト物流 賛同の輪(8)/サンスター、共同輸送で人手不足対応 事前仕分けで待機削減

荷主

2020/06/09 0:00

 サンスター(吉岡貴司社長、大阪府高槻市)は、同業及び異業種との共同輸配送や、着荷主と連携した事前仕分け、スワップボディーコンテナ車を活用した中継輸送などホワイト物流の取り組みを物流改革の旗手として先取り。実証実験などを通じて見えてきた課題の解消に向け、一段上の改善に挑戦し続けている。(田中信也)

【写真=中長距離の大型車ドライバー不足の深刻化を受け、キユーピーとタッグを組み】

 同社は、国土交通、厚生労働の両省が展開する、トラック運転者の労働条件改善に向けたパイロット事業(2017年度)に発荷主の立場で参加。元請、実運送、着荷主の各事業者の連携による荷下ろし・待機時間の削減に取り組み、この成果は安倍晋三首相が本部長を務める生産性向上国民運動推進協議会でも披露された。

 「3年間にわたりパイロット事業として様々な取り組みを推進してきたので、違和感は無かった」。サンスターグループの荒木協和・日本ブロック理事(ロジスティクス担当)の言葉には、ホワイト物流推進運動の先駆けとなってきた自負がにじむ。

 パイロット事業では、積み込み・積み下ろし、仕分け、検品、シール貼りなどの作業、待機時間を削減するため、着荷主の格納場所別の事前仕分けや、着荷主による「優先荷卸場所」の設定、RFID(無線自動識別)タグの導入による検品作業の廃止について実証。これにより待機時間が4時間から30分へと大幅に減り、輸送を除くドライバーの労働時間も2時間10分と、取り組み前から4時間30分縮減された。

 ただ、「(歯磨き粉などの)パッケージは、高級感を出すためにアルミの塗料などでキラキラした印刷になっている」ため、RFIDの読み取りの反応が悪く、本格導入を見送った。

混載で実車率向上

 一方、輸送面の改善については、日用雑貨品メーカーの共同出資によるプラネット物流(16年解散)に参加していた11社により、00年から関西―北海道のフェリーを利用した共同幹線輸送に取り組んできたが、新たに異業種との共同輸送にも乗り出している。
 中長距離の大型車ドライバー不足の深刻化を受け、キユーピーとタッグを組んだ。関西―九州でフェリーを利用したモーダル共同幹線輸送を19年に実施。「重量のある食品と、容積がかさむ日用雑貨品を混載することで、実車率を向上させる」ことが狙いで、車両数の削減により、二酸化炭素(CO2)排出量と労働環境の改善を図ることができた。このほか、99%の実車・稼働率を実現し、運行コストの削減の効果も実証された。
 また、同年には、ユニリーバ・ジャパン(サンジェイ・サチュデヴァ社長、東京都目黒区)と共同で、荷台を取り外せるスワップボディーコンテナ車による中継輸送の実証実験に取り組んだ。大阪―横浜でサンスターとユニリーバの輸送を共同化するとともに、中間地点の浜松で往復ラウンド運行。積載効率の改善と、車両数の削減、ドライバーの拘束時間を短縮することが狙いだ。取り組みにより、必要な車両が7台から2台に減り、実車率は60%から100%に向上したほか、ドライバーの泊まり勤務が解消されるなど効果があった。拘束時間の更なる短縮に向けては、「中距離輸送でも中継輸送による改善が必要」として、新たな構想を進めている。
 このほか、これまで例が無い農産物関連業者との共同輸配送のトライアルに取り組むほか、荷下ろし時間の短縮に向け、EDI(電子データ交換)を活用し、メーカーと卸業者間の商流情報と物流情報との一体化も計画している。
 「『物流機能の調達には限りがある』と認識して改善を進める」として、ホワイト物流推進運動の枠に捉われることなく、取り組みを絶えずアップデートしていく。


 ▼サンスター 1932年に自転車用ゴムのりの製造販売会社として設立。46年にチューブ容器の歯磨き粉を開発し、オーラルケア用品を中心とした、日用品・トイレタリー用品企業に成長。2007年大阪証券取引所上場廃止。09年に本社機能をスイスに移し、日本は現地法人扱いに。従業員数は1416人(国内グループ法人計)。18年12月期の連結売上高は613億8400万円(同)。


 トラックドライバー不足に対応し、国民生活・産業活動に必要な物流を安定的に確保するためにスタートした「ホワイト物流推進運動」は、関係者が協力して改善を進めることでサプライチェーン(供給網)全体の生産性向上につながることが期待される。
運動の理念に賛同し、自主行動宣言を提出した荷主企業の取り組みを紹介する。
※本紙2020年2月25日付掲載
(「ホワイト物流」推進運動の加速を後押しするため、全文掲載しています)





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