エアロネクスト、セイノーHDら 北海道で牛検体ドローン配送実験
プレスリリース
2021/11/18 14:34
日本初、北海道上士幌町でドローンを活用した牛検体(乳汁)のリレー配送の実証に成功。安全性、品質維持共に問題なく実用化に向けて一歩前進。
株式会社エアロネクスト
2021年11月17日 14時00分
経済産業省北海道経済産業局(北海道札幌市、以下経産省)、イノベーションチャレンジ実行委員会(実行委員長:上士幌町長 竹中貢)と、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)、株式会社エアロネクスト (本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路圭輔、以下エアロネクスト)は、10月8日(金)に、株式会社ノベルズ(本社:北海道上士幌町、代表取締役 延與 雄一郎、以下ノベルズ)の協力のもと、ドローン等を活用した、牛の乳房炎の検体(乳汁)の配送実証を全国で初めて実施しました。
具体的には、ドローン配送と陸上配送のリレーによる牛の乳房炎の検体(乳汁)の配送において、温度管理・振動・ドローンと陸送との連携・リレー配送後の検査品質評価等の一連の実証を実施した結果、安全性、品質維持共に問題なく、実証が成功いたしましたのでお知らせいたします。
なお、本実証は経済産業省「地域産業デジタル化支援事業」(実施機関:公益財団法人 北海道科学技術総合振興センター)を活用して実施したものです。
今回運搬した48本の牛の乳房炎の検体(乳汁)
配送スタッフが検体を箱詰め
配送スタッフがドローンスタッフへ箱を手渡し
ノベルズ上士幌本社敷地内を ドローン飛行
ドローン飛行後、軽トラックでノベルズ研究所帯広センターまで配送
研究所到着後、研究員に確認頂き配送完了(検査は翌日)
<本実証実験の詳細>
1.背景と目的
牛個体の検査業務を実施するバイオ企業各社においては、僻地である酪農地帯への検体の配送が、物流側の人手不足により年々困難となりつつある。現状では、運送会社を利用して運搬を行っているが、60kmの距離の運搬の場合は、約2日間の時間を要することもあり、品質が損なわれる可能性も懸念される。そのため、新たな配送手段の1つとして、ドローン活用の可能性を探るべく、実証実験を実施した。本実証実験で、ドローンを活用した配送において品質維持が実証できれば、ドローン活用の有効性を見出すことができ、将来、現状より短時間での運搬が可能になる。今回は、牛の乳房炎の検体(乳汁)配送に関して、温度変化・振動影響等の観点で評価を行い、ドローン配送によって安全性と品質が損なわれないかの確認を行った。
2.実施概要と結果
■試験管に入れた牛検体(乳汁)48本を、エアロネクストの4D GRAVITY®*1搭載の最新物流専用ドローンに搭載し、ノベルズ上士幌本社敷地内で20分間(約3km)の飛行を2回行った後、検体をセイノーHDのトラックに積み替え、ノベルズ研究所帯広センターまで配送し、翌日、研究所にて、検体の検査を実施した。
■実証の結果、ドローン配送時の振動は、配送後の検査品質に影響しないレベルであり、実用に耐えうることが確認できたこと、配送後の検査品質も実用に耐えうるレベルであることが確認でき、配送等の課題の多い畜産業界全般におけるスマート物流の実装可能性を検証することができた。
各分野においてデジタル・トランスフォーメーションが進行する中、畜産業界においても、少子高齢化による担い手不足という深刻な課題に直面しており、各テクノロジーの活用が求められています。そのような状況下、今回、ドローンを活用した牛の検体の一連配送の実証を日本で初めて実施し、成功したことは、乳汁に限らず、血液や受精卵等の配送の課題の多い畜産業界全般におけるドローン配送を含む新スマート物流の社会実装に向けた大きな第一歩となりました。今後実用化に向けて、寒冷地の気候における実証等も視野に入れながら、引き続き、連携して検討を重ねる予定です。
また、畜産業界のみならず、その他の産業界への応用、拡大の可能性も広がります。
以上
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