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【2024年問題④】標準化むけ推奨規格規定/パレット化

2024年問題

2022/06/24 3:00

 長年の物流課題であるパレット化は、「2024年問題」でも最重点、最優先のソリューションに位置付けられている。生産性向上、労働時間短縮が至上命題となる中、関係官民が「推奨規格」を規定するなど、メーカーや卸も含め普及・標準化に向けた取り組みが加速。これまでパレット化が遅れていた業種・業態でも導入の機運が高まりつつある。(田中信也、沢田顕嗣、矢野孝明)

メーカー・卸も始動

 パレットの導入や標準化は、官民による検討が幾度となく行われてきたものの、積載率の低下や多岐にわたる規格、古い商慣習が災いし、結局は「総論賛成、各論反対」で、解決が図られてこなかった「古くて新しい課題」だ。パレット化の有効性は理解しつつも、「荷主の取引先まで巻き込んだパレット化は非常にハードルが高い」(トーヨー・ロジテックの西岡斉社長)。
 特に手積みが常態化しているのが食品分野だ。3温度帯物流に特化した中国陸運(広島県廿日市市)の西尾義輝社長は「卸や倉庫会社では入出庫で何時間も待機させられ、しかも積載量を優先するため手積みがほとんど。手積みを売りにする運送会社も多く、この商習慣が簡単に変わるとは考えられない」と指摘する。
 しかし、トラックドライバーへの時間外労働の罰則付き上限規制適用が24年度に迫り、タイムリミットまで待ったなし。また、総合物流施策大綱(21~25年度)では、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)・標準化が柱の一つに位置付けられた。
 これを受け、国土交通省は旗艦的な取り組みとしてパレット規格の標準・統一化を推進。関係官民による懇談会で、いまだ手荷役の事業者にパレット利用を促すため、JIS(日本産業規格)などに準拠する規格のうち、既に広く普及しているT11型パレット(1100㍉×1100㍉)を推奨規格(サイズ、仕様)として提唱する方針を決めた。
 T11型を推奨する動きは民間でも出てきている。メーカーや卸、物流、レンタルパレット業者などで構成する菓子標準パレット化促進協議会は「菓子物流(スナック・米菓系)におけるパレット標準化ガイドライン」を策定。T11型を推奨サイズとしたほか、荷姿の高さ基準を1300㍉以下、材質はプラスチックを推奨することを盛り込んだ。
 中堅中小食品のスーパーマーケットの協業組織、シジシージャパン(堀内淳弘CGCグループ代表、東京都新宿区)は、環境対応と生産性向上を目指す「スカスカ撲滅」を旗印に、物流標準化の取り組みを強化。その重要なファクターの一つにパレット化を位置付け、T11型への商品の積載高を1150㍉に設定したほか、それに伴う容積率(1.39立方㍍)を基に標準化することを決めた。

全体で仕組み構築を

 メーカーや卸を含めたサプライチェーン(SC、供給網)全体で取り組みは広がっており、冷凍食品分野でもパレット化の兆しが見え始めている。日本アクセス(佐々木淳一社長、品川区)は、1月に本稼働した関東フローズンマザー物流センター(埼玉県加須市)での入出庫を原則、パレット単位とし、「メーカー-卸」のパレット化を進める。今後、各エリアにも水平展開する構想だ。
 活発なパレット化の動きを受けレンタルパレットのニーズも向上。5月31日の記者会見で、日本パレット協会の加納尚美会長は「手荷役だった業界にもパレットは普及していくと思う。その需要にしっかりと応えていきたい」との姿勢を示している。
 しかし、こうした動きや推奨規格の選定は前進だが、業界内では既に100種類以上のパレットが導入されているとみられる。海外向けなどではT12型(1200㍉×1100㍉)も多く流通し、酒類・飲料業界ではビール9型プラスチックパレット(Pパレ)が広く普及している。こうした現状を踏まえ、国交省は「T11型以外も判断の余地を残していることは発信していく」(総合政策局物流政策課)ことも強調する。
 また、トーヨー・ロジテックの西岡社長も「紙製品はサイズなど荷姿が多種多様で、パレットの規格統一も容易ではない。物流会社の自助努力だけでは難しく、コスト負担を含め産業界全体による仕組みづくりが求められる」と指摘する。
 その上、家電や農産品などパレット化が遅れている品目もあり、紛失の激しい現場での対応は一筋縄ではいかない。関係業界とも連携し、調整を図っていく必要がある。人手不足解消や労働時間短縮を図るため、本気で取り組まなければならない。





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