セブン&トヨタ、FCトラック実証開始 東京―横浜 1日3往復配送 アサヒが車両運用
産業
2019/04/26 0:00
セブン―イレブン・ジャパン(永松文彦社長、東京都千代田区)とトヨタ自動車は19日、水素燃料電池(FC)で動く小型トラックの実証実験を開始した。同日、実験に参加するアサヒロジスティクス(横塚元樹社長、さいたま市大宮区)の横浜緑物流センター(横浜市緑区)で導入式を開催。アサヒがFCトラック2台を運用する。(小瀬川厚) 導入したFCトラックは、水素を燃料としたFCユニットで発電した電力で走行する。最大積載量は3トンで、航続距離は約200キロ。同センターから東京都内の店舗に1日当たり3往復の配送を行う。 セブン―イレブンは2018年6月、トヨタの技術やシステムを導入して物流と店舗のCO2(二酸化炭素)排出削減を目指すことに合意。CO2を含めた環境負荷物質の排出ゼロを目標として新たに開発した配送用のFC小型トラックを、首都圏に2台を配置することを明らかにしていた。 また、店舗にFC発電機とリユース蓄電池を導入するとともに、店舗エネルギーマネジメントシステム(BEMS)で統合的に管理し、再生可能エネルギーや水素由来の電力の比率を高める。 導入式で、トヨタの森光宏事業開発本部長が「数年前に提案を受け、17年から開発が始まった。FCユニットで動くトラックは環境負荷の小ささに加えて静かで低速からの加速に優れ、ドライバーの労働環境改善にもつながるはず。未来の水素社会実現に向けて良いスタートラインとなることを期待したい」とあいさつ。 セブン―イレブンの青山誠一・執行役員QC物流管理本部長は「社会環境の変化が急速に進んでいる。CO2削減に向け、しっかりと対応していきたい」と話した。 アサヒの横塚社長は「国内初の実証実験に参加できて光栄に思う。当社は1250台の車両を保有し、1日当たり1万4千店舗に食品を届けている。走行距離は地球8周分に当たり、こうした部分でCO2の排出削減に向けて安全第一で役立ちたい」と語った。 【写真=テープカットに臨む(右から)トヨタの森光事業開発本部長、アサヒの横塚社長と梶伸次・横浜緑物流センター営業所所長、セブンイレブンの青山執行役員】