ヤマト運輸、青森県・YGLと協定締結 農林水産品の輸出拡大へ
行政
2019/03/26 0:00
ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)は、青森県と連携して進めてきた総合流通プラットフォーム「A!Premium(Aプレミアム)」の更なる拡充を図る。新たにヤマトグローバルロジスティクスジャパン(YGL、金井宏芳社長、東京都中央区)を加えた3者による協定を19日に締結。4月から青森空港を利用した海外ルートを設定し、青森県産の農林水産品の輸出拡大を目指す。 Aプレミアムは、トラックと航空機を効率的に接続させる「スピード保冷」の小口一貫輸送で、2015年からサービスを開始した。コストの縮減と鮮度を保持した付加価値の高い物流を強みに、リードタイムが長く、市場を開拓できなかった西日本やアジア方面で新たな顧客を獲得。更に、国内取り扱い実績は15年度で535個だったが、17年度には約5倍の2785個まで増加するなど、実績を伸ばしてきた。 これまではトラックで仙台空港まで産品を運び、関西や沖縄の空港を活用して各地へ輸送する経路だったが、4月以降は青森空港から羽田と成田の両空港を利用して海外へ輸送するルートを確保する。 国外での青森県産品のニーズが高まっており、フライトの選択肢を広げるとともに中ロット以上の貨物にも対応。リンゴやコメ、日本酒などの商材を、主に香港やシンガポールなどアジア地域へ輸送する。欧州への輸送も視野に入れている。 19日に行われた締結式で、長尾社長と三村申吾知事、YGLの梅津克彦会長が固い握手を交わした。5月には県内4カ所で説明会を開く計画で、物流に限らず商流開拓にも力を入れていく予定だ。(今松大) 【写真=締結式で握手を交わす(左から)長尾社長、三村知事、梅津会長】