北海道開発局/シンポ、道内「生産空間」維持へ 地域・行政・民間 三位一体の連携重要
行政
2019/03/08 0:00
北海道開発局は2月28日、札幌市で道内の「生産空間」の維持に向けたシンポジウムを開いた。講演では、コンビニエンスストア「セイコーマート」を運営するセコマ(札幌市中央区)の丸谷智保社長が、物流や地域・行政との連携の重要性を強調。パネルディスカッションでは名寄商工会議所の藤田健慈会頭が、現在進めている道の駅などを利用した共同配送の取り組みについて説明した。(土屋太朗) 丸谷氏は「昔は『無医村』という言葉があったが、今は『無店舗村』が出てきている」と道内の現状を述べた上で、人口900人の紋別市・上渚滑(かみしょこつ)町で出店した事例を紹介。地元の要請を受け、市の助成金などを活用することで低コストでの出店を実現した。 営業時間を午後8時までとすることで人件費や光熱費を抑えたほか、既存の物流ルートに組み込むことにより、物流コストも掛からないようにした。 丸谷氏は「地域、行政、民間の三位一体で取り組む必要がある。『地域おこし』よりも『地域残し』の方が先」とし、各地域を結ぶ物流の重要性を示した。 また、パネルディスカッションでは、藤田氏が、名寄市で道の駅などを拠点とする共同配送について紹介。「地域物流会社」として設立した道北ロジスティクス(松下賢二社長、北海道名寄市)が地域の物流情報を吸い上げて積載率を高め、商工会は荷主集めの役割を担う。4月以降に事業を本格化させる方針だ。 藤田氏は「住民の物流への理解も必要で、大変な努力によって運ばれていることをもっと宣伝しなければならない」と言及。石田氏は「物流は、事業者の工夫と努力で成り立っているが、限界を超えつつある。地域側がそれに気付き、社会の仕組みを変える取り組みは素晴らしい」と語った。 【写真=道の駅を拠点とした共配について、パネルディスカッションで紹介】