東京オリパラ/渋滞対策、首都高の料金値上げ議論 物流車両は適用外?
行政
2019/02/12 0:00
東京都などは、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会期間中の渋滞対策として、首都高速道路を対象にした一部区間・時間帯での料金引き上げに向けた議論に着手した。このほかナンバープレート規制、複数人が乗る車両専用レーンの設置についても検討。いずれも基本的に「物流車両」は対象外だが、詳細は今後詰める。(辻本亮平) 6日の「交通輸送技術検討会」(家田仁座長、政策研究大学院大学教授)で検討を開始した。渋滞対策は大会期間中に限定して適用。また、都市活動を妨げないように、原則として物流車両には適用しない。 料金の引き上げは、混雑している区間や時間帯を対象に行う。引き上げ額など具体的な中身は今後詰める。実施した場合、引き上げ区間の境界付近で交通量が増加することが懸念される。 ナンバープレート規制は、ナンバーの末尾番号に応じて通行規制を敷くもの。例えば、偶数日は偶数ナンバーの車両のみ通れるようにする。ただし、会合では「全車両の半数を規制する必要は無い」との意見が出た。 また、複数人が乗る車両専用レーンの設置案も浮上。相乗りを促し、渋滞緩和につなげたい考えだ。しかし、専用レーンを設けると、それ以外のレーンで渋滞を引き起こす可能性もある。 なお、料金引き上げとナンバープレート規制は、実施されれば渋滞対策としては全国初になるという。大会期間中の渋滞対策では、交通量を平常時の平日より15%少なくすることを目標に、物流事業者への配送ルート変更要請などTDM(交通需要マネジメント)を講じている。しかし、首都高では低減し切れないとの試算を踏まえ、追加策が必要との方針で一致。今後、年度内に開く次回会合で方策の提言を取りまとめる予定だ。それを受け、今夏にもその効果をシミュレーションする。 また、物流や港湾に関する課題の重要性を踏まえ、同日の会合から、委員に国土交通省総合政策局の山田輝希物流政策課長、同港湾局の堀田治計画課長が追加された。 【写真=原則として「物流車両」は対象外だが、詳細は今後詰める】