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CACC搭載トラック/隊列走行実験、車線維持支援を併用 新東名で2回目実施

行政

2018/12/13 0:00

 経済産業省と国土交通省は4日、国内トラックメーカー4社の協力で開発したCACC(協調型車間距離維持支援システム)を搭載したトラックの隊列走行実証実験を、新東名高速道路で実施した。(奥出和彦)  新東名での隊列走行実験は、1月に続いて2回目で、14日まで実施する。CACCを使い、異なるメーカーのトラック(マルチブランド)が隊列して走行するのは、世界初の取り組み。今回は新たな技術としてLKA(車線維持支援システム)を併用。トラックの隊列が周辺を走行する車両ドライバーの被視認性や、追い越しなどの挙動に与える影響も確認する。  CACCは、従来のACC(定速走行・車間距離制御装置)を使った先行車との車間距離情報に加え、先行車の加減速制御情報を車車間通信(760メガヘルツITS通信)で受信。加減速制御に用いることで、ACCより応答遅れや車間距離変動が少ない走行が可能となる。  一方、LKAは道路上の白線や黄線をカメラで検知し、車線内の走行を維持できるようステアリングを制御してドライバーのハンドル操作をサポート。双方の技術を用いることにより、多様な走行条件で運転する長距離ドライバーの疲労軽減が期待される。  メーカーの担当ドライバーとシステムの確認担当者がそれぞれの車両に乗り込み、自動制御されるブレーキ・アクセルの稼働状況と、手を添えるだけのハンドリングの様子を確認した。先導車から1キロ程度離れて、三菱ふそうトラック・バス(ハートムット・シック社長兼CEO=最高経営責任者、川崎市幸区)、いすゞ自動車、UDトラックス(酒巻孝光社長、埼玉県上尾市)、日野自動車の順で、4台が30メートル程度の間隔で連なり、浜松サービスエリア(浜松市北区)から15キロ先の遠州森町パーキングエリア(静岡県森町)を目指して出発。車外への注意喚起用としてそれぞれの車両に新たに取り付けた複数の緑色のLED(発光ダイオード)ライトを光らせながら、同PAからは、UD、日野、ふそう、いすゞの順に車両を入れ替えて復路を走行。観測用のサポートカーも追走した。  開始前には、経産省ITS・自動走行推進室の垣見直彦室長、国交省技術政策課自動運転戦略官の平沢崇裕氏、実証実験WG(ワーキンググループ)で主査を務める日野自動車技術研究所の榎本英彦所長が、実験目的や概要を説明。  垣見氏は「後続有人隊列システムについては2021年までの商用化を目標に掲げている。CACC、LKAを搭載したマルチブランドでの技術開発を国際的にもリードしていこうと取り組んでいる」と説明した。 【写真=新東名高速を隊列し走行】





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