北海道、季節波動・片荷を解消へ 官民連携で検討開始 来年度 モード別に方向性指示
行政
2018/10/29 0:00
【北海道】北海道は18日、道内物流の安定・効率化に向けた、官民連携の検討を始めた。季節に応じた輸送量の波動や片荷輸送といった課題の解消へ、物流事業者や荷主が連携する必要性を確認。消費者に対し、物流の重要性をPRする方策の検討も視野に入れる。2019年度中に、各輸送モードが対応すべき方向性や関係者連携による輸送方法について報告書を作成。将来的に、規制緩和や支援などの具体策に結び付ける。(土屋太朗) 同日、北海道交通・物流連携会議の物流対策ワーキンググループ(WG、岸邦宏座長、北海道大学大学院工学研究院准教授)の初会合を開催。北海道トラック協会(奈良幹男会長)や日本貨物鉄道(JR貨物)、北海道港運協会(栗林和徳会長)、ホクレン農業協同組合連合会(内田和幸会長)などが参加した。 農水産物の一大生産地である北海道は、季節波動や片荷輸送の影響で、輸送量が安定していない。また、広大な地域に人口が分散する一方、高規格道路の開通が全国的にみて遅れている。更に、降雪による道路の通行止めといったリスクも抱える。9月の地震ではインフラ被害に加え、停電が物流に大きな打撃を与えており、災害への対応も重要な検討テーマだ。 WGでは、これらの課題の解決に向け、関係者で対応方法を共有。道内や本州との輸送について、各輸送モードで連携した取り組みの実現につなげる。 初会合では、道内物流の現状・課題について道の担当者が説明するとともに、参加者で意見交換。参加者から連携する必要性が繰り返し強調されたほか、「各輸送モードで、それぞれの将来的なビジョンを示すべき」といった意見も出た。 会合後、関係者間の連携について岸座長は、「もっと適切な役割分担があるのではないかと思う。個々の役割を果たすことで、結果的に、全体の連携につながるのではないか。この役割分担について、今後もっと深く議論していきたい」と強調。WGの議論を通じ「北海道の物流の在り方について、書けるところまで書いてまとめ、発信していきたい」と語った。 北海道は6月、道の持続的な交通ネットワークを維持するため、北海道交通・物流連携会議(吉見宏座長、北海道大学大学院建材学研究員教授)を発足。施策を進めていく上で、WGを設けた。 【写真=将来的に規制緩和や支援策などの具体策につなげる】