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改正省エネ法受け指針案、不要な翌日配送是正 着荷主に努力義務規定 鉄道・船舶活用しやすく

行政

2018/09/17 0:00

 資源エネルギー庁は、省エネ法の改正に伴い、着荷主を対象として設ける努力義務規定に「必要の無い翌日配送を改める」などリードタイムの見直しに向けた取り組みを盛り込む方針だ。10日の「荷主判断基準ワーキンググループ(WG)」(矢野裕児座長、流通経済大学教授)で、省エネ法の改正により創設される「準荷主」を対象としたガイドライン案を公表。着荷主がリードタイムを見直すことで、物流側が鉄道、船舶などの輸送モードを活用しやすくする。(辻本亮平)  準荷主は、省エネ法の改正に伴い創設されるもので、貨物の受け取り・引き渡しの日時と場所を指示できる着荷主などが該当。同庁がつくるガイドラインに基づき、省エネへの努力義務が課される。これにより、発着荷主の連携による省エネへの取り組みを推進する狙いがある。  取り組むべき事項として、リードタイムの見直しを明記。運送事業者が貨物によって鉄道、船舶といった輸送モードを選べるよう、必要の無い翌日配送を是正し、日時指定を適正化するよう求める。併せて、発注頻度・発注ロットを見直すことで、積載率を高められるようにする。  大型トラックなど輸送効率が高い車両に関しては、受け付けバースを大型化するなどして対応。荷役効率化に向けては、一貫パレチゼーションなど貨物を集約する取り組みを進めるよう求める。また、荷待ち時間を削減するため、予約受け付けシステムの導入を推進。荷さばき場など関連インフラの整備も促す。  ガイドライン案について、物流業界団体(全日本トラック協会、日本物流団体連合会など)から「(トラック運送業界として)大変ありがたい内容」と評価する声が上がった。加えて、「現状、特に課題となっているのが、積載率と待機時間であることを明記して欲しい。(準荷主は)継続して契約するなら、積載率を平準化できる仕組みを実現することが必要」とする意見が出た。  事務局は「省エネに資するもので、物流にも役立つものは何なのか分かるようにしたい」と強調。また、他の委員から「(ガイドラインで示されたことを)着荷主は発注時に意識しなければいけないが、周知が難しい」という指摘も出た。  一方、通販事業者からは「一般論として、B to C(企業―消費者)に携わる着荷主にとっては、順守するのが困難な内容が含まれている。EC(電子商取引)は初期投資を少なく展開できるのがメリットであり、物流センターへの納入が小ロットになるのは、仕方ない部分もある」という指摘があった。  このほか、実効性を確保するため「関係省庁で連携し、周知して欲しい」「荷主が自社の物流システムに(省エネの観点で)問題があるかどうかを判断できる基準があった方がいい。ガイドラインを次のステージへ上げることにもつながる」といった意見も出された。  ガイドラインについては今後、議論を進めて内容を精査。11月にも適用する予定だ。  WGでは、EC事業者を含む「荷主」に省エネの取り組みを求める「荷主判断基準」の見直し案についても審議。事務局が前回の会合で提出した案には、実現に向けて努力を求める「目標」部分で「送料無料」と記載しないよう示していたが、削除した。事務局は「前回のWGで、通販事業者から『送料無料と記載することが省エネに影響するのか、エビデンスを示すことができない』と指摘されたことを踏まえた」としている。  併せて、省エネ法の改正に伴い創設される「荷主連携省エネルギー計画の認定制度」についても議論。共同配送や設備の集約、サプライチェーン(供給網)の連携といった、荷主同士が協力して行う省エネの取り組みについて認定を受けた場合は、どれだけ省エネできたかを事業者の間で分配して定期報告できる。  加えて、「認定管理統括荷主の認定制度」の創設も報告。親会社がグループ全体の省エネを統括・管理していると認定を受けた場合、親会社が子会社の取り組みについても一括して定期報告することを認める。 【写真=省エネ法の改正に伴い創設される「準荷主」を対象としたガイドライン案を公表】





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