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取引労働改善広島協、倉庫機能を合理化 待機時間短縮 売れ筋はパレット積載

団体

2017/11/30 0:00

 【広島】トラック輸送における取引環境・労働時間改善広島県地方協議会(三井正信座長、広島大学大学院教授)は20日、会合を開き、2017年度パイロット事業の中間報告を行った。倉庫機能の合理化や拠点の見直しなどにより、庫内作業の時間とドライバーの待機・積み込み時間を短縮でき、荷主の物流コスト削減にも効果があったことが伝えられた。  対象集団は、発・着荷主がともにオタフクソース(佐々木直義社長、広島市西区)。倉庫、荷役は新生倉庫運輸(石井宏社長、南区)に委託し、実運送はサン・エクス(岡田典之社長、佐伯区)が請け負っている。  日本PMIコンサルティングの小坂真弘社長が、コンサルティングを担当。工場に近接する新生倉庫運輸の広島地区倉庫(西区)から、オタフクの福岡倉庫である九州物流センター(福岡県粕屋町)までの、製品の保管と輸送において課題を抽出した。  走行距離265キロで高速道路を利用しているため、輸送ルートに問題は確認されなかった。一方、広島地区倉庫では、荷物のアイテムが少量多品種なのに加え、オタフクが業容拡大するのに伴い、荷受けと出荷が重複するなど処理能力が低下。作業が長時間化し、トラックドライバーの待機時間が発生する状況だった。  倉庫能力を向上させるため、保管アイテムを見直し、入出庫ルールも再構築。売れ筋商品は原則パレット単位で積載することに変更し、積載率をアップさせた。  また、オタフクでも工場近くに一時保管庫を設け、トラックによる積み込み場所を分散。この保管庫にはパレット単位の製品を置き、委託倉庫は少量発注品を保管するよう役割分担した。更に、オタフクの福岡倉庫にも、在庫機能を持たせた。  これらの改善策により、ドライバーの待機時間と積み込み時間がそれぞれ30分短縮。日によって変動はあるものの、拘束時間が1時間削減できた。同時に、オタフク側も物流コストの削減につながった。  小坂氏は「7月中旬から検証を始めてわずか1カ月後のデータで、まだ十分な成果とは言えない。今後もフォローアップして、より効果を高めたい」と説明した。  このほか、田中一範委員(広島県冷蔵倉庫協会)が冷蔵倉庫の現状と自社の改善事例を紹介。情報管理の徹底や人員配備の適正化などで、出庫前の荷物の待機時間を短縮させた取り組みを発表した。  次回は、18年2、3月に開催する。(矢野孝明) 【写真=パイロット事業の中間報告を行う】





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