物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

政府、貿易手続き短縮化 官民協議会が発足 コンテナ貨物から検討

行政

2017/11/02 0:00

 政府は10月26日、日本の貿易手続きを改め、貨物の滞留時間の短縮化などを目指す官民検討会を立ち上げた。海上・航空輸送による輸出入の迅速化に向け、課題を洗い出した上で対策をまとめる。まずは海上輸出入業務の効率化を焦点に、コンテナヤードでの渋滞や、輸出コンテナ搬入の締切日に関する検討を始める。2018年3月にも検討結果を取りまとめ、国際競争力の強化につなげる。(土屋太朗)  同日、貿易手続にかかる官民協議会(石原伸志座長、東海大学教授)の初会合を開き、検討に着手。委員は、国際フレイトフォワーダーズ協会(伊藤豊会長)や上組、経団連(榊原定征会長)、日本船主協会(武藤光一会長)などで構成した。物流事業者や荷主、船会社、港湾運営会社など海上輸出入業務に携わる関係者が一堂に集まり、貿易手続きについて協議する会合は初めて。  協議会では、海上、航空双方の輸出入手続きの効率化を目指す。まずは、取り扱いの大きいコンテナ貨物をテーマにする。  初会合では国土交通、財務、経済産業の各省が貿易の円滑化に向けた取り組みを説明するとともに、荷主側からは日本機械輸出組合(槍田松瑩(うつだしょうえい)理事長)がプレゼンテーション。同組合は、国内運送での運転者不足や関係者間の連携強化などを課題に挙げ、グランドデザインを検討する必要性を示した。  意見交換では、コンテナヤードでトラックの渋滞が慢性化している現状を指摘する声が目立った。加えて、輸出コンテナのヤードへの搬入の締め切りを「船が出航する3日前まで」としていることに関し、荷主側から1、2日前に短縮するよう求める意見も多く出された。  こうした内容を踏まえ、今月中にも開く第2回会合では、トラックの渋滞と搬入の締め切り日を軸に議論を進める方針だ。併せて、委員からの問題提起に応じて対策を検討していく考え。海上輸出入関係では、関係者間で情報共有する仕組みの構築や手続きの電子化を求める声も出ており、これらも論点になりそうだ。  協議会は、6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」で貿易手続きの適化を図るよう盛り込まれたことを受けて設立。月に1度のペースで開催し、2018年3月の取りまとめを目指す。 【写真=国際競争力の強化につなげる(横浜港の南本牧ふ頭)】





本紙ピックアップ

日本トレクス、W連結トラ運転者育成へ

 日本トレクス(高崎文弘社長、愛知県豊川市)は1日、ダブル連結トラックのドライバー育成を目的とした「トレクスドライビングスクール」を開校した。ダブル連結トラックはスクール側が用意するため、事業者の持ち込みは不要。豊橋市の…

日貨協連/KIT運賃指数8月、過去最高「140」記録

 日本貨物運送協同組合連合会(御手洗安会長)が運営する求荷求車システム「WebKIT2」で、車両やドライバー不足によるスポット運賃の高騰が鮮明になっている。例年閑散期とされる8月だが、荷物情報(求車)登録件数が大幅に増加…

陸災防/全国リフト大会、一般の部で初の女性V

 陸上貨物運送事業労働災害防止協会(齋藤充会長)は9月28、29の両日、中部トラック総合研修センター(愛知県みよし市)で全国フォークリフト運転競技大会を開催した。前回大会の女性の部で優勝した佐藤修子選手(日本通運岡山支店…

タイミー/24年問題実態調査、対応メド立たず4割

 スキマバイトサービスを提供するタイミーは9月26日、物流の「2024年問題」への対応実態について、同社サービスに登録している442事業者に行ったアンケート結果を公表した。24年度に入って半年が経過するタイミングで調査を…

オススメ記事

日本トレクス、W連結トラ運転者育成へ

 日本トレクス(高崎文弘社長、愛知県豊川市)は1日、ダブル連結トラックのドライバー育成を目的とした「トレクスドライビングスクール」を開校した。ダブル連結トラックはスクール側が用意するため、事業者の持ち込みは不要。豊橋市の…

日貨協連/KIT運賃指数8月、過去最高「140」記録

 日本貨物運送協同組合連合会(御手洗安会長)が運営する求荷求車システム「WebKIT2」で、車両やドライバー不足によるスポット運賃の高騰が鮮明になっている。例年閑散期とされる8月だが、荷物情報(求車)登録件数が大幅に増加…

陸災防/全国リフト大会、一般の部で初の女性V

 陸上貨物運送事業労働災害防止協会(齋藤充会長)は9月28、29の両日、中部トラック総合研修センター(愛知県みよし市)で全国フォークリフト運転競技大会を開催した。前回大会の女性の部で優勝した佐藤修子選手(日本通運岡山支店…

タイミー/24年問題実態調査、対応メド立たず4割

 スキマバイトサービスを提供するタイミーは9月26日、物流の「2024年問題」への対応実態について、同社サービスに登録している442事業者に行ったアンケート結果を公表した。24年度に入って半年が経過するタイミングで調査を…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap