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自動運転、公道実験の許可基準を改正 試験管同乗が義務付け 操作者の責任は運転者と同様

行政

2017/06/08 0:00

 警察庁は1日、自動運転の実証実験を公道で行えるようにするための道路使用許可の審査基準を全国の警察本部に通達し、速やかに規則改正するよう求めた。審査に際しては、メーカーなど実験主体者がテストコースで走行実験を行い、安全走行が可能なことを確認するとともに、全走行区間で試験官同乗による走行審査を行うよう義務付け。また、車両の遠隔監視・操作者(オペレーター)を通常の自動車運転者と同様に扱い、実験車両に運転免許証の写しを備え付けることや、事故が起きた際に捜査対象となることなどを規定した。(田中信也)  無人の自動運転車を遠隔操作する実証実験を公道で実施できるようにするため、各都道府県公安委員会は通達に基づき、道路使用許可の対象行為を定めた規則を改正。実験は長6カ月間で、無線通信システムが途絶しない通信環境かつ一般の道路利用者に著しい支障を及ぼさないことなどを条件に、実施する地域や時間帯を事業主体が設定する。実験車両は1回の許可申請で1台だが、時期をずらして段階的に申請することで、複数台を同時に走らせることもできる。  実験システムは、通常の自動車運転者と同じレベルでオペレーターが映像と音により車両の周囲、走行方向などの状況を把握できることや、通信への応答が一定時間を超えた場合に車両が安全に停止できることなどを条件としている。  オペレーターは、大型、中型、普通など実験車両の種類に応じた運転免許を取得している必要があり、実験中に交通事故や違反が発生した場合は捜査対象となるなど「道路交通法上の運転者と同様の義務と責任を負っている」としている。  交通事故が発生した場合に適切な消防活動が行えるよう、あらかじめ関係消防機関に実験車両の構造や停止方法、実験の日時・内容などを説明することや、乗務への救護や道路上での危険防止措置を要請。事故原因がシステムの不具合の可能性がある場合には実験を中止し、実験車両で記録された映像、音声、オペレーターの操作状況に関するデータなどの提出を含め、再発防止策を講じた上で改めて許可を申請するよう求めている。  2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに無人自動走行による移動サービスを実現できるよう「必要な実証を可能とする制度を17年までに整備する」とした政府の方針を受け、警察庁は一定の安全性を確保しつつ、実証実験を推進するために基準を策定した。  ただ、基準案に対する意見募集では「歩行者の立場に立った場合、無人の物体が移動していることは不安をかき立てる。車両側とコミュニケーションをとれない現状での実験は大変不安」「様々な運転者がいる公道で、一瞬の状況変化に対応できるセンサーなどのサポートが整っていない中での実験は拙速」「安全に関する基本設計が存在しない中、このような基準で実験を認めてはならない」など反対意見も少なくなく、実験の実現には慎重な判断が求められそうだ。 【写真=実証開始に当たっては、テストコースで実験を行うことが必要(日本自動車研究所「Jtown自動運転評価拠点」、茨城県つくば市)】





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