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JARI、自動運転評価へテストコース 茨城に開設

団体

2017/04/03 0:00

 日本自動車研究所(JARI、永井正夫所長)は1日、自動運転技術の安全性を評価するために必要な交通環境を実現できるテストコース「Jtown」を茨城県つくば市に開設。自動車メーカーやサプライヤー(供給者)、JARI、大学・研究機関による共同研究を中心に「自動運転評価拠点」として活用。研究・開発や実証実験の場として、企業も含め幅広く提供していく。(田中信也)  経済産業、国土交通の両省が設置している自動走行ビジネス検討会(鎌田実座長、東京大学大学院教授)は「自動運転評価施設」を構想。これが産官学連携による戦略的協調領域の一つとして取り上げられたことを受け、経産省が2016年度予算で創設した「自動走行システム評価拠点整備事業」の補助金を基に、交通事故場面の再現を目的とする既存の模擬市街路をベースにして整備した。  Jtownでは「(自動車)単体走行」「他の四輪車、二輪車、自転車、歩行者の認識」「信号・標識の認識」「天候が変化した場合の走行性能」といった、メーカーや大学・研究機関が求める評価機能を検証。エリアは①特異環境試験場②V2X(車車間・路車間通信)市街地③多目的市街地――で構成する。施設は3月28日、報道陣に公開し、各エリアでデモンストレーションを実施した。  悪環境や悪条件を屋内で再現できる特異環境試験場では、太陽を模したライトで午後3~5時を想定した西日による逆光のほか、濃霧や豪雨などの悪天候を再現した。降雨設備は「強い雨(1時間当たり30ミリ)」「激しい雨(50ミリ)」「非常に激しい雨(80ミリ)」の3段階に設定。霧発生設備では、視程(見える距離)を15~80メートルまで調整できる。  V2X市街地のデモでは、連続した交差点や、視界を阻害する構造物が存在する複雑な交通状況を想定し、衝突回避性能などを評価。時速30キロの走行車両が交差点に近付く度に信号は青に変わり、停止せずに通過した。  一方、多目的市街地は、実際の交通で存在するY字路やT字路、高速道路などの合流部、ラウンドアバウト(円形交差点)など様々な交差点の形状を設定できるエリアで、デモではT字路を再現した。 【写真=報道陣向けのデモで濃霧などの悪天候を再現】





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