大阪ト協、府交付金削減で近代化基金を取り崩し 財源不足で補てん限界に
団体
2017/03/13 0:00
【大阪】2010年度から続く府の運輸事業振興助成交付金の大幅削減により、交通安全や環境対策など各種基金を次々と取り崩し、交付金特別会計の財源不足を補ってきたが、限界に達した――。大阪府トラック協会(辻卓史会長)は2日、残された唯一の基金である近代化基金の一部取り崩しを決めた。同日までに開かれた各委員会では、緊縮予算への理解を求めており、ひっ迫した財政状況が改めて浮き彫りになった。(小菓史和) 2日に開かれた交付金事業委員会(松元行憲委員長)では、17年度の交付金特別会計の予算8億6102万円と事業計画を承認。所用のため欠席した松元委員長に代わり、井上泰旭副委員長が議事に先立ち、「17年度の交付金も満額にはほど遠い内示となった。厳しい予算編成となるが、協力をお願いしたい」と呼び掛けた。 交付金委所管の予算では、中央出捐金1億4809万円が府に認められなかったため、今回も自主財源により対応。他の事業も合わせると、交付金特別会計全体では、計2億5889万円の自主財源を投入する。 また、これまで近代化基金の運用収入で行ってきた利子補給事業は、運用収入の減少で資金が不足したため、16年度は5千万円を基金から補てん。更に交付金特別会計の不足分5500万円と、17年度の利子補給事業に充てるための1億1640万円を合わせ、計2億2140万円の取り崩しを決めた。 府が交付金の大幅カットを始めた10年以降、15年度までに各種基金として積み上げた計21億8766万円の自主財源を投入。 17年度も交付金特別会計が財源不足となるのは明らかで、更なる取り崩しは必至とみられる。 斎藤一之常務は、交付金に対する府の対応について、「交付に当たっては、蓄積された基金の残高の充当を優先するとの基本姿勢であり、これまで各種基金を順次取り崩してきた」と説明。 その上で、「しかし、それも限界で、府が『当面は取り崩しを求めない』としていた近代化基金も充当せざるを得なくなった」と述べ、理解を求めた。 また、滝口敬介専務は「17年度は組織と財政の在り方に関する委員会を立ち上げ、1年間かけて、今後の方針を話し合っていきたいと考えている」と述べた。 【写真=交付金事業委員会で17年度の交付金特別会計の予算を承認(2日)】