OICT、群馬・太田にBTS型 物流不動産 賃貸事業を加速
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2017/01/19 0:00
太田国際貨物ターミナル(OICT、荻原榮一社長、群馬県太田市)は12日、太田市にBTS(特定企業入居)型物流施設「さくら物流管理倉庫」を開設した。日本運輸(黒岩慶太社長、大泉町)の物流センターとして全面的に運用する。物流不動産の賃貸事業を加速させるOICTのBTS施設としては、2014年9月に本社敷地内の遊休地を活用し、外資系医療機器メーカーの物流施設を建設したのに続いて2カ所目となる。(小瀬川厚) 太田さくら工業団地(太田市)にあるOICTの海上コンテナターミナルの隣接地1万2千平方メートルを取得し、2階建て、延べ床面積1万6千平方メートルの施設を建設。垂直搬送機2基と荷物用エレベーター1基を備え、ドックレベラー6基のうち2基は電動式を採用した。北関東自動車道・太田桐生インターチェンジ(IC)から車で10分程度と近く、16年度からパーキングエリアを併設した太田スマートIC(仮称)の整備が進んでおり、同センターのある工業団地まで最大8分の時間短縮が見込まれている。 テナント企業のニーズを取り込んだ専用施設として設計。高床式のプラットホームは、軒下の奥行きを15メートルとしたことで、雨天の際でもデバンニングが行える屋根下荷役に対応している。 また、床面の段差を無くしたバリアフリー構造としたほか、災害時の停電に備えてオーバースライダー式のシャッターを導入するなど、防災機能を強化した。全照明LED(発光ダイオード)化、洗面所の温水機能、ハンドドライヤーといったアメニティーも改善した。 日本運輸は、自動車向け部品の基幹物流センターとして運用し、太田市内の数カ所に点在していた外部倉庫を同センターに集約。年間7700TEU(20フィートコンテナ換算)程度の輸入コンテナを扱うことから、将来的にはOICTを活用した通関や、輸入コンテナを輸出に転用するラウンドユースなども検討していく。 同日の竣工式で、荻原社長が「16年6月に着工してから計画通りに竣工できた。利用しやすい最高の施設となっているはずで、今後もオールOICT体制で対応していく」とあいさつ。OICTの会長を兼ねる太田市の清水聖義市長も「地域の発展につなげていきたい」と述べた。 【写真=雨天の際でもデバンニングが行える屋根下荷役に対応】