全国産業安全衛生大会、「復興の架け橋」仙台開催 教訓共有し労災防止誓う
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2016/10/27 0:00
第75回全国産業安全衛生大会が19日から3日間、仙台市で開かれた。「築こう未来へ安全と健康でつなぐ復興の架け橋」をテーマに、開会式や表彰式、分科会などを開催。震災から得た教訓を参加者で共有し、危機管理能力を高め、関係者が一丸となって労働災害防止に取り組むことを誓い合った。(黒田秀男) 初日は仙台市体育館で総合集会を開催。中央労働災害防止協会(榊原定征会長)の佐藤博恒副会長(新日鉄住金)が開会の辞を述べ、榊原会長(東レ)はビデオ映像で「大会は国内最大の安全衛生の教育の場であり、最新の情報、ノウハウを提供し、労災防止活動の強化につなげるのが目的。成果を職場に持ち帰り、労災防止や危機管理の重要性を再確認し、従業員の安全と健康、経営基盤の強化に生かして欲しい」とのメッセージを伝えた。 また、二川一男・厚生労働事務次官、村井嘉浩宮城県知事、奥山恵美子仙台市長が祝辞を述べ、開催を準備した宮城労働基準協会の矢萩保雄会長が「大会を契機に日本の安全文化が更に向上し、産業が発展することを祈念する」とあいさつした。 表彰式では、会長賞が3事業所、顕功賞3人、緑十字賞は87人を表彰。物流関係では緑十字賞で嶋田康子(日の出運輸企業)、鈴木誠(鈴木運輸社)、中谷幸朝(鴻池運輸和歌山支店)、真鍋英博(桑原運輸)、安田靖(大黒倉庫)の各氏が受賞した。 このほか、仙台フィルハーモニー管弦楽団の演奏や宮城県女川町出身で俳優・歌手の中村雅俊さんと、福島県喜多方市出身のフリーキャスター、唐橋ユミさんによる「故郷と復興への思い」と題したスペシャルトークも行われた。 2日目からは、仙台国際センターや夢メッセみやぎなど市内5カ所で、労災防止に関する分科会を開催。今大会では労働安全衛生に関する11分科会に加え、防災・危機管理の分科会を新設した。 防災・危機管理の分科会は2会場で、シンポジウムや講演、事例報告などを行った。この中で、南光運輸(内田耕一郎社長、宮城県石巻市)港運部の今野昭一港運課長が「東日本大震災からの石巻港復旧の取り組みと震災から得た教訓・防災対策」、日本通運仙台支店の加藤雅庸作業管理担当は「大災害の経験に基づく必要な安全対策について(震災から5年半を経て)」として、活動事例を紹介した。 【写真=功労者などを表彰】