徳清倉庫、倉庫で芸術作品展覧会 米アカデミー受賞者参加
物流企業
2016/10/10 0:00
徳清倉庫(佐藤重昭社長、盛岡市)は9月30日から、本社営業所敷地内の倉庫で、東日本大震災をテーマにした芸術作品の展覧会を開いている。特定非営利活動法人(NPO法人)の岩手未来機構(木村要一理事長)などが中心となって実行委員会を立ち上げ、国民体育大会の岩手開催に合わせたイベント「いわてあーとプロジェクト2016」を実施。被災地に通い、芸術活動で支援を続けてきた国際派アーティストらの作品を、重要文化財などの歴史的建造物4カ所に順次展示中だ。 徳清倉庫では、旧南部藩勘定奉行屋敷を移築した倉庫内で、サムライハウス展と銘打って、2人の著名芸術家の作品を公開。サムライハウスとは、スペインを代表する現代アート作家のホセマリア・シシリア氏が、3年前に初めて徳清倉庫を訪れた際に命名した。 10月7日までは、米国とスイスを拠点に活動するマクダレナ・ソレ氏が撮影した被災地の写真を展示。同氏は、2008年に映画「Man on Wire(綱渡りをする人)」でアカデミー賞ドキュメンタリー作品賞を受賞したアーティストだ。10日から12日は、シシリア氏の作品を公開している。 9月30日に行われたオープニングセレモニーで、実行委員も務める佐藤社長は「震災から5年半が過ぎ、人々の記憶も次第に薄れつつある。内外の有名なアーティストがワークショップや展示会を通して、被災者の心を癒やしてきた事実は、意外に知られていない。皆さんの目で作品を見ていただき、アートの素晴らしさを感じ、展覧会を楽しんでもらいたい」とあいさつ。続いて、米国で活躍している音楽家ら3人が尺八と琴の演奏を披露し、神秘的な音色で参加者を魅了した。(今松大) 【写真=オープニングセレモニーで音楽家が尺八と琴の演奏を披露】