もりや産業、梱包ソリューション 物流コスト トータルで削減
物流企業
2016/09/08 0:00
もりや産業(菅野勝社長、大阪市城東区)では、包装・物流現場における新たな改善策として、紙製パレットや梱包を活用するトータル・パッケージング・ソリューション(TPS)を提案している。(落合涼二) 「梱包作業を少しでも時間短縮したい」「輸送・保管時により安全性を追求したい」「環境負荷をできるだけ下げる対策を探している」といったニーズに対し、商品の資材コストから、輸送先での廃棄コストまで通して考え、全体でのコスト削減をサポート。 例えば、自動車のホイールを扱う企業は、国内向けはプラスチックパレットとトレーを回収・再利用しているものの、輸出する際、パレットの回収・処理費用があまりかけられないため、段ボールを利用したワンウェー梱包に変更。 ホイールを固定する穴を開けたり、段済みに対応できるよう天板の強度アップといった工夫で、包装材費用の50%削減、納入先でのゴミ処理コスト圧縮、エコ製品を使うことによる企業イメージ向上にも役立ったという。 また、紙ロールの輸送では①パレットに1~6個しか載せられず、段済みも不可で輸送効率が悪い②パレットを平置きするので、スペースを取り保管効率も悪い③輸送中の振動で製品同士がぶつかり、傷が付く――などの問題に対処。 輸送費削減及び製品保護の観点から、包装箱とパレット一体型の紙製容器を開発し、保管スペースが半分になるとともに、輸送効率も高まり、トータルで月間25%のコスト改善が見られた。 営業企画部の蔦江伸夫係長は「梱包コストだけだと、木枠とあまり変わらないケースもある。しかし、組み立てコストや輸送コスト、廃棄まで考慮すれば、メリットは大きい」と話している。 同社は環境・包装・物流関連製品の商社として、1966年12月に設立。物流・保管用品をはじめ、荷崩れ防止資材、輸送用緩衝資材などを取り扱う。日本包装技術協会(浅野茂太郎会長)から、重量物用梱包で、2016年のグッドパッケージ賞も受けている。 【写真=ホイールを輸出する際、段ボール利用のワンウェー梱包に変更し、包装材費用を50%削減】