大口割引率50%の従来型ETC適用、全ト協・日貨協連が延長要望
団体
2016/08/25 0:00
「従来型のETC(自動料金収受システム)装着車への高速道路通行料金大口・多頻度大割引率50%の適用を当分の間、延長して欲しい」――。全日本トラック協会(星野良三会長)と日本貨物運送協同組合連合会(古屋芳彦会長)は23日、国土交通省の石川雄一道路局長を訪ね、次世代型自動料金収受システム「ETC2.0」の普及が進んでいない現状を説明するとともに、現在経過措置として認められている従来型ETC装着車への適用を延長するよう要望した。 全ト協から坂本克己副会長と福本秀爾理事長、日貨協連は高速委員長の中川才助副会長、村田省蔵専務が出向き、それぞれ会長名の要望書を石川氏に手渡した。 ETC2.0装着車を対象とする高速料金の大口・多頻度大割引率50%は、2016年度も継続となった。しかし、従来型ETCについては、予算の関係から、経過措置として4月から「一定期間」対象にすることで決着。 ETC2.0の普及が思うように進まない中、トラック事業者の間では、9月までの半年とみられる経過措置の終了を含め、今後の行方を心配する声が出ている。 全ト協は、ETC2.0車載器の普及のために20億円規模(1台当たり4千円、50万台分)の予算を計上しているが、「メーカーの供給体制が整ったのが4月ごろだったことから、装着が遅れている」と報告。ITSサ―ビス高度化機構(田崎忠行理事長)の集計によると、7月末時点でも装着台数(中型車・大型車・特大車合計)は16万3千台にとどまり、「今後半年程度ではまだ十分普及しない状況にある」と指摘した。 日貨協連は、トラック事業協組によるETC2.0装着助成が1台当たり最大2万円になっていることを説明。経過措置の期間では「ETC2.0を必要とする車両に車載器が行きわたらない」ことの懸念を表明した。その上で、ETC2.0の今後の普及に努めるとし、従来型ETC装着車への経過措置を延長するよう訴えた。 なお、ETC2.0搭載車両を対象とする大割引率50%の適用は、政府の経済対策として、17年度も継続することが既に閣議決定されている。(北原秀紀) 【写真=石川局長(中央)に要望書を手渡す坂本副会長(その左)と中川副会長(右から2人目)】