大善、ミャンマーで物流提供 経済特区に大型倉庫
物流企業
2016/08/08 0:00
総合物流企業の大善(矢部善兵衛社長、福島県喜多方市)がミャンマーに進出し、物流サービスを提供している。ティラワ経済特別区(SEZ)に、日本の物流企業としては2番目の大型倉庫(物流センター)を建設し、業務を開始している。(黒田秀男) ティラワSEZは、ミャンマー初の経済特別区。最大都市のヤンゴンから南東20キロに位置し、ティラワ港(河川港)に隣接。ミャンマーと日本の官民が共同開発した広さ400ヘクタールの大規模工業団地で、2015年9月に完成し、SEZ指定を受けた。これにより、経済発展が期待される同国への企業進出が一段と加速している。 大善は13年1月に初めて現地を視察。数カ月後、2回目の訪問で進出を決めた。 拠点開設に当たり、15年5月には現地法人、大善ミャンマー(DAIZEN MYANMAR)を設立。社長には長男の智昭氏が就いた。倉庫は、1万7千平方メートルの用地に平屋建ての施設を建設。床面積が1万平方メートルで、トラックの積み下ろしを行うバースは10口。6月20日にオープンさせた。 大善ミャンマーは、ティラワSEZ運営委員会から、総合物流企業としての投資ライセンスを取得。特区内外の製造業や卸売業の顧客に対して、保管や配送、流通加工、通関など総合物流サービスを提供していく。 大善は1952年の設立だが、創業は167年代に両替商から始まった、由緒ある老舗(しにせ)。現在は総合物流企業として、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)事業、倉庫業、運輸業、物流コンサルティング業、押入れ産業代理店業、不動産賃貸・管理業などを展開している。 従業員が460人、保有車両30台、倉庫の保管面積は2万9300平方メートル。営業拠点は本社地区のほか、東京事務所を含め、栃木、茨城、群馬県など関東を中心に13拠点。大善が海外に進出するのは初めてとなる。 9代目となる矢部社長は「ミャンマーは経済発展が期待される国。我々にはなじみのある仏教国で、民度も高く、親日的と聞いている。大きな投資だが、グローバル経済の将来に向けて進出を決めた。主に日本から進出した企業の物流業務をサポートしたい」と話している。 【写真=大善ミャンマーの大型倉庫(ティラワ特区)】
