公明国交部会、山陽道事故うけ国交相に提言 実運送取引を適正化
行政
2016/04/07 0:00
公明党の国土交通部会(樋口尚也部会長)は3月29日、広島県東広島市の山陽自動車道下り線・八本松トンネルでの死傷事故に関する提言を、石井啓一国交相に提出した。 事故を起こしたトラックを運行するゴーイチマルエキスライン(後藤義雄社長、埼玉県川口市)の本社営業所に特別監査を実施した結果、事故を起こした容疑者を含む複数の運転者に労働時間超過、健康診断未受診などの法令違反が判明したことを受け、超過勤務の遠因となったトラック業界の多層化構造の実態把握に努めるとともに、必要な改善を要請。 特に、「中継ぎ(元請け、二次請け)事業者から実運送事業者への取引価格・条件の適正化に向けて早急に取り組む」よう求めた。 また、輸送の安全性を確保するため、事業者への指導、悪質事業者に対する重点的な監査、過労運転防止に向けた適切な事業の監督を要請。衝突被害軽減ブレーキ搭載車への税制特例、購入補助などを通じた先進安全技術の普及に努めるよう要望した。 要望書を受け取った石井氏は「業界の多層構造の問題解消に向けては、厚生労働省などと共催のトラック輸送の取引環境・労働時間改善協議会で、荷主も交えた検討を進めている」とコメント。 更に、衝突被害軽減ブレーキについては、「段階的に義務化を進めている」とした上で、「中型トラックには19年11月以降、新車での搭載が義務付けられる」と説明した。(田中信也) 【写真=樋口部会長(左から2人目)が石井国交相に提出】