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福通、マレーシア社を買収 トラック運送 東南アで拡大

物流企業

2016/03/21 0:00

 福山通運は15日、マレーシア、タイなど東南アジア4カ国に営業拠点を持つマレーシアの物流会社E・H・ウタラホールディングス及びグループ会社3社を買収する、と発表した。ウタラHDグループはクロスボーダー・トラック輸送に強く、主要ルートであるタイ―マレーシア輸送では、1割超のマーケットシェアを持つ。福通が海外企業をM&A(合併・買収)するのは初めてのことで、アジアを中心に8カ国・20拠点体制が整い、国際物流事業の売上高100億円(2015年3月期は62億円)の早期達成を目指していく。(高木明)  ウタラHDはマレーシアに本社を置き、東南アジア諸国でクロスボーダー輸送をコア事業にしながら、海上・航空フォワーディング、倉庫事業などを展開。自動車部品、電子製品などの現地企業や日系、外資大手を顧客に持つ。  福通では、5月中にウタラHDを始め4社の発行株式の49%を取得。外資規制により過半数ではないが、実質的な経営権を握る。ウタラHDの連結売上高は14億4400万円(15年8月期)。買収額は総額10億円を見込む。  シンガポール―マレーシア―タイは通常、海上コンテナ輸送で約9日かかるが、トラックによるクロスボーダー輸送では4日に短縮されるという。ウタラグループはトラクタ100台、シャシー150台、40フィートコンテナ400個を保有。  また、同区間のクロスボーダー輸送を行うコンテナ積み替え地となるブキッ・カュ・イタム(マレーシア)には敷地面積6万4千平方メートルの輸送ハブ(トラックヤード)を持ち、物流需要を取り込んでいる。  福通では、12年1月に海上フォワーディングの三統(現福山グローバルソリューションズ)を買収したのを機に、国際物流分野へ本格進出。14年10月にはカンボジアに現地法人を設立するなど、カンボジア発日本向けのフォワーディングやベトナムへのクロスボーダー輸送などを開始した。  現在進行中の中期3カ年経営計画で「国際物流事業の拡大・強化」を重点施策の一つに挙げている。15年3月期の同事業の売上高62億円を、最終年度の18年3月期には100億円に引き上げたい考え。岡本泰・執行役員国際部長は「今回の買収により、新たにマレーシアとタイに事業拠点を確保できた。フォワーディング事業と共に、当社のコア事業であるトラック運送事業を東南アジアで拡大、加速させていきたい」と話している。 【写真=クロスボーダー輸送の拠点(ウタラグループ)】





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