厚労省雇用政策研、人口減少下でも成長へ 運輸「人手不足感強い」
行政
2015/08/27 0:00
厚生労働省の雇用政策研究会(樋口美雄座長、慶応義塾大学教授)は24日、人口減少が進む中での雇用政策に関する提言書の中間取りまとめを策定した。このうち運輸業については、人手不足感の強い分野の一つとして位置付け。「我が国の成長のボトルネックとなるため対策が必要」と危機感を示し、女性や若年層への戦略的なリクルートや多様な働き方の導入を促している。 「人口減少下での安定成長を目指して」をテーマに報告書を作成し、雇用政策に生かす目標実現に向け各労働者の質の向上に加え、それに合わせた環境整備の重要性を明記。更に、運輸業や建設業といった業種に関しては、各分野に応じた対策を求めている。 運輸業については「社会的基盤産業」としながらも「労働力は中高年層がメーンで、女性や若年層が少ない」と強調。不規則な就業形態や長時間労働の一方で、低賃金という労働環境を理由に挙げている。 このため、「一人の運転者が一つの行程を担う働き方を改めることが重要」と強調。短時間勤務などの多様な働き方の導入に加え、女性や若年層の参入促進に向けた取り組みの必要性を指摘した。併せて、長時間労働の実態に関しては「荷主都合による手待ち時間など運送事業者の努力だけでの改善は困難」と分析。関係者間の連携による環境整備を要請している。 委員からは「人手不足が進む分野では、ロボットの活用がこれからのテーマとして重要性を増す。今後はその影響を検討していくことも必要だ」との意見が出た。今回策定した中間取りまとめは、近く公表する。(土屋太朗) 【写真=人口減少が進む中での政策について提言】