取引労働改善京都協、魅力ある職場へ議論 千載一遇のチャンス
団体
2015/08/13 0:00
【京都】京都労働局、近畿運輸局や京都府トラック協会(金井清治会長)は4日、トラック輸送における取引環境・労働時間改善京都府地方協議会の初会合を開き、今後の運営スケジュールについて確認した。(落合涼二) 京都労働局の森川善樹局長が「中小企業における月60時間超の時間外労働にする割増賃金率引き上げへの対応が議論されている。ドライバーの総労働時間は、全業種の平均を上回っており、厚生労働省でも荷主企業を含め時短に向けた話し合いを通じて、労働環境改善につなげたい」とあいさつ。 京都大学公共政策大学院の久本憲夫教授は座長に選任された後、「物流は日本経済の血液。ドライバーが生き生きと働けるだけではなく、仕事への自負が持てるよう労働環境を整えることも大事。どうすれば魅力ある職場がつくれるのか皆さんと一緒に検討していきたい」と述べた。 意見交換で、京ト協の金井会長は「運送業界が長年にわたり抱えてきた最大の課題を、荷主企業も交えて協議する場が設けられることは極めて意義深い。また、国土交通省、厚労省、経済産業省が参加しての議論は画期的で大きな期待を寄せている」と強調。 その上で、「トラック運送は、一日、机に座り事務をしたり、決められた時間を製造ラインで作業したりする業務とは違い、積み込み、移動、積み下ろしといった一連の流れの中で、道路事情や荷主企業の都合による待機など副次的問題も存在する。並行して実施するドライバーへの実態調査も踏まえた一連の取り組みは、我々にとって千載一遇のチャンス。具体的な成果を得るために最大限努力したい」と呼び掛けた。 運輸労連京都府連の穐山裕次委員長も「長時間労働の実態調査について、労働組合側でもドライバーにヒアリングし、情報を集めた方が良いのではないだろうか。より実態が分かると思う」と提案した。近畿運輸局の金指和彦自動車交通部部長は「国内輸送の9割はトラックによるもので、消費者に荷物を届ける社会インフラ。人手不足、長時間労働と取り巻く状況は厳しく、今、メスを入れなければ将来的に持続できなくなる。運命共同体として4年間、議論を密にし、より良い方策を導き出せるよう協力をお願いしたい」とまとめた。 【写真=今後の運営スケジュールについて確認】