道労働局&北運局、若年層確保へ魅力づくり 休憩場所確保は不十分
行政
2015/08/06 0:00
【北海道】北海道労働局と北海道運輸局は7月24日、北海道トラック輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会(千葉博正座長、札幌大学教授)の初会合を開き、北海道トラック協会(伊藤昭人会長)や荷主、経済団体、労働組合などが労働時間改善に向けた取り組み、行政に対する要望などについて話し合った。(北原進之輔) 道労働局の羽毛田守局長が「若年層確保に向けた魅力ある業界づくりのため、長時間労働解消が強く求められている。そのためには、荷主や道路環境などにも踏み込む必要がある。共通認識を促して労働時間の抑制を図っていく」とあいさつ。 北運局の渡邊良局長は「北ト協でも各地区で荷主と精力的に話し合って徐々に成果が出始めていると聞いているが、根本的な改善には至っていない。北海道の特殊性も含めて時間を掛けてしっかり対応していく」と話した。 伊藤会長は「物流業界の労働時間問題は、北海道産の農水産物のブランド力にも影響してくる。それらをいかに守っていくかという過程で、北海道―本州と道内輸送の2つの問題がある。本州向けのフェリー料金や道内の高速道路料金の負担は大きく、乗船時の拘束時間の問題もある。連続運転時間に関しても休憩できる場所が十分確保されていないのが実情だ」と強調。 荷主からは、ホクレン農業協同組合連合会の仲屋一也・管理本部物流部長が「物流を守るために我々としても対応させてもらっているが、青果物を中心に販売価格に転嫁できていないのが現状。そういった部分にも及ぶ改善を行政にお願いしたい。今後はドライバー不足や労働時間改善に向け、中長期的に拠点整備を行っていく」と話した。 【写真=労働時間改善に向けた取り組みなどを話し合う】