国交省/物流政策、事業者連携や共配促進 12月メド 効率化むけ方向性
行政
2015/05/04 0:00
国土交通省は12月をメドに、今後の物流政策の基本的な方向性を示す。トラック輸送の更なる効率化に向けて、広域物流では事業者間連携による輸送、大型車の通行誘導などの施策を検討。大都市の活力を高める観点から、共同配送の促進、再配達の削減といった地域物流の取り組みも打ち出す。このほか、物流施設の機能強化や災害対応力向上、先進的技術の導入・活用、物流事業者の競争力強化に向けた方策を探る。 4月30日、交通政策審議会交通体系分科会物流部会(野尻俊明部会長、流通経済大学学長)を立ち上げた。社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会(家田仁部会長、東京大学教授)と合同で開催。両審議会に対し、太田昭宏国交相が「今後の物流政策の基本的な方向性」について諮問したことから、両部会で物流政策の在り方を検討。12月ごろ答申することとした。 今後は、5月から小委員会を設け、関係者ヒアリングや討議を実施。物流政策の在り方について議論した後、8月下旬の合同会議で中間取りまとめを行う。その後は適宜、小委員会を開催。10月の合同会議で答申の素案を審議した上で、結論を出したい考えだ。 初会合では、青木一彦政務官が「物流は、日本経済の成長や国民生活を支える基盤。産業の立地競争力の強化、消費者利便の向上といった観点から検討を深め、新たな政策を展開していく必要がある」と強調。その後、事務局がモーダルシフトやコンテナラウンドユース、物流施設の高度化・効率化といったこれまでの取り組みを説明した上で、検討の視点を示した。 説明を受け、根本敏則委員(一橋大学大学院教授)が「道路の老朽化への影響が懸念されているが、トラックの大型化と過積載は別の話。人手不足に陥っているなら、大型化は進めていくべき」と強調。 また、久保田尚委員(埼玉大学大学院教授)は「検討の視点の一つとして、道路交通の安全性を加えて欲しい。ドライバーの健康状態をチェックせずに運行させて事故を起こすなど、構造的に問題があるケースがみられる」と指摘した。(山上隼人) 【写真=5月から小委員会を設け、関係者ヒアリングや討議を実施】