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全霊協/災害想定、初の実地訓練 遺体搬送要請に備え

団体

2017/03/16 0:00

 全国霊柩自動車協会(小西幸治会長)は17日、大規模災害の発生を想定した遺体搬送シミュレーション訓練を実施する。東海地震により静岡県内で洪水や津波、火災が発生。死者が多数出ることを想定。静岡県庁と打ち合わせや運行指示書の作成など模擬訓練も行い、有事の際の遺体搬送要請に備える。10日に開かれた理事会と臨時(予算)総会で報告した。  実地で災害時シミュレーション訓練を行うのは初めて。15日正午に東海地震が発生し、静岡県内で洪水、津波、火災により、推定死亡者数が千人に達する――との想定で実施する。  訓練では、小西会長を本部長とする災害対策中央本部を全霊協に設置。遺体搬送要請がありそうな地区・都道府県協会に「東海地震について第1報」を送信する(今回は災害時対策委員会の委員がいる協会に送信)。模擬で静岡県庁とのやり取りも実施。遺体搬送についての打ち合わせや運行指示書の作成をシミュレートする。  死者を伴う大規模な災害が発生した際には、全霊協の会員らが遺体搬送業務を請け負うため、スムーズな業務遂行に向け、災害時緊急遺体搬送行動計画の見直しや各自治体との災害時緊急遺体搬送協定締結を推進している。  小西氏は会長就任時から「実地での訓練を重ねないと、有事の際に動けない。できるだけ早期に実地での訓練を行いたい」と述べており、当初は17年度の実施を見込んでいたが、前倒しして実際の災害時に備えるとともに、今回の経験を次回の訓練に生かす。  このほか、17年度は15年3月に取りまとめた「今後の協会運営方針」に基づき<①会費の見直し②青年委員会の活性化③協会役員の定年制導入④組織率の低下防止対策――などに引き続き取り組む。  会費の見直しについては、抜本的な見直しは影響が大きいため、17年度からは、現行の特別車1台当たり年額1300円、普通車650円を、一律1台当たり千円とすることを決めた。  更に、第42回全国事業者大会が6月15~17日に徳島市で開催されることも報告された。  冒頭、小西会長は「協会に入って何のメリットがあるのかと考えると、最も大きいのは情報提供だと思う。我々は法律改正などについて、酒井好道専務らを通じて事前に把握し、その対処方法も知ることができる。(会長)就任時からかねがね言っているのは、霊柩事業は社会の公器であるということ」と語った。(高橋朋宏) 【写真=2017年度事業計画案、予算案を承認】





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