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ホワイト物流 賛同の輪(25)/JSP、受注締め切りを1日前倒し

荷主

2023/07/04 2:50

 発泡樹脂メーカーのJSPは、顧客からのオーダーの締め切りを前倒しすることで、ドライバーの負担を軽減している。メイン工場の鹿沼物流センター(栃木県鹿沼市)で、出荷当日の午前まで受けていたのを、前日の午前までに変更。トラックを余分に確保する必要がなくなり、積載率の向上にもつなげた。顧客に加え、自社の営業部門との調整を進め、全社的な「ホワイト物流」の取り組みを推進している。(土屋太朗)

 同社は食品の包装材や工業製品の緩衝材、梱包材、自動車部品など、多岐にわたる発泡樹脂を取り扱う。重量に対して体積が大きい製品のため、物流面では積載率の向上が課題。一層の物流効率化を図っていく上で、対外的なPRに加え、社内での意識改革の必要性から、2022年12月に国の「ホワイト物流」推進運動の自主行動宣言を提出した。
 国内9カ所に工場を持ち、100社以上の運送事業者と取引関係にある。メイン工場の鹿沼物流センターは、1日100~120台のトラックが稼働する。
 同センターでは20年4月から、当日の午前までとしていたオーダーの受け付けを、前日の午前までと1日前倒しした。これにより、余裕を持った配車が可能となり、車両台数の削減を実現。20~22年の3年間で、同センターで稼働する全体の3%に当たる約2500台分の車両を減らした。

車両数減&積載率向上

 更に、同社独自の算出による車両1台当たりの平均積載重量をみると、19年の612㌔に対し、22年度は699㌔と3年間で14%増加。積載効率の向上という課題解決に向け、着実に効果を上げている。
 この前倒しの実施には、顧客だけでなく、まずは社内の営業部門との調整も必要だったため、準備期間に1年ほど要した。物流資材本部長も務める石原義久・取締役常務執行役員は「営業部門では、一番は顧客が逃げるのではないかという不安があった」と説明する。物流に関する全社的な共有や顧客への説明に時間をかけたことで、前倒しによる顧客の流出もなかったという。
 また、オーダーの前倒しは、九州エリアで先行して実施しており、「運送会社の社長から『すごく助かった』という言葉を頂いた。ドライバーの労働時間短縮につながるため、運送会社からも喜ばれている」(石原氏)。こうした成果を踏まえ、今後は各地域の事情を考慮した上で、他の工場でも前倒しを検討していく考えだ。

荷待ち・荷役時間を把握

 併せて、荷待ちと荷役時間の実態把握にも乗り出している。18年から、各工場でドライバーを対象に年1回、2週間を調査期間として30分以上待機した車両数を調査。その上で、荷待ちが多く発生している工場で対策を進めてきた。
 この結果、18年調査で407台(割合は14.4%)だった荷待ち車両が、23年は45台(1.6%)と大幅に改善した。
 加えて、19年からは年1回のペースで、約4500社に及ぶ全ての顧客に調査用紙を送り、顧客先での荷待ちと荷役作業の実態も調べている。荷役作業の内容や要した時間などを聞き、データにして顧客先別に状況を可視化。問題が大きいと判断した場合は、顧客に改善を促している。
 一連の調査は今後も定期的に行う方針で、物流体制の変更といった実際の対策と併せ、顧客と一体となった取り組みで物流改革を推進していく。


 ▼JSP 食品の包装材や工業製品の緩衝材、建築・住宅用断熱材など多様な発泡樹脂製品を製造。国内では北海道、茨城、栃木、三重、兵庫、熊本、福岡に工場を持つ。2023年3月期の売上高は1317億1400万円。


トラックドライバー不足に対応し、国民生活・産業活動に必要な物流を安定的に確保するためにスタートした「ホワイト物流推進運動」は、関係者が協力して改善を進めることでサプライチェーン(供給網)全体の生産性向上につながることが期待される。
運動の理念に賛同し、自主行動宣言を提出した荷主企業の取り組みを紹介する。
(「ホワイト物流」推進運動の加速を後押しするため、全文掲載しています)

オーダーの受付を早めて効率化(鹿沼ミラフォーム工場と鹿沼物流センターの倉庫棟)




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