全ト協会長緊急会見 軽油価格高騰で国交相へ支援要望 運輸3団体、決起大会
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2021/11/12 4:00
全日本トラック協会の坂本克己会長は9日、軽油価格高騰を受けて緊急記者会見を行い、「大幅な高騰が続けば、トラック業界の経営は悪化の一途をたどり、安定した輸送力を確保できなくなることも懸念される」など話した。同日、斉藤鉄夫国土交通相に要望するとともに、12月2日にトラック、バス、タクシーの中央3団体で総決起大会を実施することを明らかにした。要望では高騰分の運賃への転嫁に対する支援、価格高騰時の課税停止措置(トリガー条項)の凍結解除、安価な備蓄原油の早期放出などが盛り込まれている。
坂本氏は会見で、「大会のターゲットは一般、荷主、立法府などの皆さん。壇上には石油連盟、日本自動車販売協会連合会、労働組合などの関係者に来てもらう。『ここにトラックあり』というところを広く示す。燃料価格高騰を大きな契機とし、運賃の適正収受に向けてトラックの存在を訴えていく」と表明した。
国交相への要望は ①燃料高騰分の価格転嫁のための対策 ②燃料税制対策 ③燃料負担の軽減に資する補助支援制度の創設 ④エネルギー価格低廉化方策の実施、在庫管理対策の強化 ⑤高速道路料金の更なる割引の拡大――の各項目。
運賃転嫁については、「標準的な運賃」「燃料サーチャージ」などによる適正な運賃の収受に対し荷主団体や企業への理解の醸成や強力な要請、中小事業者が円滑に転嫁を進めるための相談窓口の設置、価格転嫁に応じない荷主企業に対する働きかけなどを求めている。
トリガー条項は、燃料価格が一定水準以上に高騰すると、軽油引取税の課税措置を停止するもの。民主党政権時代に創設され、現在は凍結状態にあるため、凍結解除を盛り込んだ。
経済産業省や石油関係団体には価格監視の徹底と、安価な備蓄原油を早期に放出し、石油製品の安定供給を確保するよう訴えている。
また、12月2日には全ト協と日本バス協会(清水一郎会長)、全国ハイヤー・タクシー連合会(川鍋一朗会長)の中央3団体による総決起大会を東京で開催する予定だ。
(北原秀紀)