ホワイト物流賛同の輪(20)/サツドラ、各曜日の輸送量平準化 ピッキング作業負担減
荷主
2021/11/09 14:37
サッポロドラッグストアー(サツドラ、富山浩樹社長兼CEO=最高経営責任者、札幌市東区)は、生活協同組合コープさっぽろ(大見英明理事長、西区)との業務提携を機に、物流改善の取り組みを加速させている。効率化に向け共同で検討を進めるとともに、日用品の曜日ごとの輸送量の平準化も図る。また、一部店舗の店頭に宅配ボックスを設置し、再配達の防止や環境負荷の低減にも貢献している。(朽木崇洋)
北海道内を中心に、ドラッグストアや調剤薬局など200店舗を展開。医薬品や化粧品、日用品、食品などを販売している。商品は北広島市内の2カ所の物流拠点で保管し、各店舗までトラックで運ぶ。委託先の物流事業者の負担軽減のため、パレットやカゴ台車、オリコンなどの導入に加え、入出荷情報を事前に提供するなどの対策を取っている。
ホワイト物流推進運動は7月に賛同した。きっかけとなったのは、2019年12月、持ち株会社のサツドラホールディングスがコープさっぽろと結んだ包括業務提携。同締結では、商品・システムの開発や関係会社の事業統合などと併せ、商流・物流統合への取り組みについても協議していくことで同意した。
コープさっぽろでは、グループの物流を担う北海道ロジサービス(岩藤正和社長、江別市)がホワイト物流推進運動に賛同するなど物流改善を推進。サツドラもコープさっぽろと足並みをそろえ、物流効率化を幅広く摸索していく考えだ。
また、センター内の業務を改善し、ピッキング作業などの負担軽減を図る。特に、曜日ごとの波動が大きい日用品の出荷量の平準化も検討。週末に商品が多く売れるため、週初めの月、火曜日に発注が集中しがちになる。売れ行きなどのデータを基に、水曜日以降の出荷でも問題のない商品は発注のタイミングを調整するなどして対応していく。
サツドラのドラッグストア事業本部営業推進部の三島良平・MD管理・物流担当マネジャーは「物流機能を維持していくため、働きやすく、若い人材が集まる業界にできるよう貢献したい」と話す。
そのほか、一部の店舗では店頭に宅配ボックスを置いている。宅配需要の高騰が注目されるようになった17年7月、札幌市内から設置をスタートし、現在は104店舗まで広がった。働き方が多様化する中、買い物客などに開放し、サービス向上に努めるほか、宅配事業者の負担軽減に寄与。店舗に足を運んでもらう機会にもつながっている。
▼サッポロドラッグストアー 1983年4月設立。北海道を中心にドラッグストアや調剤薬局など200店舗(10月15日時点)を展開するドラッグストアチェーン。2021年5月期の売上高は826億6300万円。従業員は2533人(5月15日時点)。
トラックドライバー不足に対応し、国民生活・産業活動に必要な物流を安定的に確保するためにスタートした「ホワイト物流推進運動」は、関係者が協力して改善を進めることでサプライチェーン(供給網)全体の生産性向上につながることが期待される。
運動の理念に賛同し、自主行動宣言を提出した荷主企業の取り組みを紹介する。
(「ホワイト物流」推進運動の加速を後押しするため、全文掲載しています)
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