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ホワイト物流 賛同の輪(11)/トクヤマ、パレット化浸透に注力 空フレコンの通い箱導入

荷主

2020/06/19 0:00

 化成品やセメントなどの大手メーカー、トクヤマは2019年にホワイト物流推進運動の自主行動宣言を提出し、トラックドライバー不足に対応した物流の改善に取り組んでいる。ドライバー不足には早くから危機感を抱き、推進運動に早い段階で賛同。12月には自主行動宣言を自社ホームページでも公表した。今後は一貫パレチゼーションを浸透させるとともに、将来はIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用した省力化にも取り組む。(江藤和博)

【写真=徳山製造所には2、3年前に五つのホームを備えた大型倉庫を建設】

 同社は早くからモーダルシフトを積極的に推進。トンキロベースで9割近い荷物を海上輸送し、特にセメントは比率が高い。しかし、化成品も含めて納品先への搬入はトラックに頼らざるを得ず、ドライバー不足への対応は重要な課題だ。

 物流グループの佐藤卓志リーダーは「協力会社は全国に約200社あり、定量の仕事量の時は何とかなる。しかし、少しでも上振れすると余裕が無くなる。ドライバー不足には危機感を持っている」と話す。

 自主行動宣言には、顧客や物流業者からの改善提案には前向きに対応するなど10項目の取り組み事項を明記。そのうちの一つがパレットなどの活用だ。

 特殊な荷姿が多いため、2、3年前から14型パレット(縦1100㍉×横1400㍉)を導入。また、パレットレンタル会社と提携し、20年には一貫パレチゼーションを採用した。更なる浸透に向けた取り組みが必要になっている。

 佐藤氏は「手積み・手下ろしがゼロになっていない。また、顧客の中には個別納入でのパレット管理を嫌がるところもある。このため、パレットとばら積みで運賃格差を設け、パレットに誘導する方法を検討したい」と話す。

 近く導入が決定しているのが、空のフレキシブルコンテナやユニットコンテナを入れる通い箱だ。これまでは一つずつトラックの荷台に積み、仕分けに手間が掛かっていたが、専用の通い箱に収納することで積み下ろしの省力化を進める。

 徳山製造所(山口県周南市)には2、3年前に五つのホームを備えた大型倉庫を建設し、荷待ち時間の削減を図ってきた。ただ、現状は待機するトラックの様子をウェブカメラで見てトラックの入出庫を調整をするのにとどまっている。今後は予約システムの導入を検討するが、クリアすべき課題はある。

 佐藤氏は「予約システムに対して倉庫の現場は保守的。倉庫内の人材の配置も変えていく必要がある。また、長距離トラックの入庫時間を細かく把握するのも難しい。こうした課題を克服しながら予約システムを検討したい」と語る。

契約書面化を徹底

 物流システムの標準化も課題だが、まだ着手はできていない。17年にはウェブで運送を依頼できる仕組みをつくったが、一方通行な上、全ての協力会社をカバーしているわけではない。今後は、相互のやり取りができるEDI(電子データ交換)化が目標だ。
 協力会社との契約は物流子会社のトクヤマロジスティクス(大崎勇一社長、山口県周南市)を窓口に、関係法令の順守状況を考慮して選定。その一方で、トクヤマ側は運送契約の書面化を徹底しており、今後は運賃とリフト作業などの付帯料金は分離して表示する方針だ。ただ、荷主の立場でみると、ドライバーが自分の意思で勝手にやっている作業もあり、「目に見えない部分も多い」という。
 佐藤氏は「バーコードなど既存の技術を使ってできることはあると思うが、更なる省力化のためには、これまで目を向けてこなかったIoTやAIを活用していくしかない。また、関東などへのトラック長距離輸送を見直すとともに、荷姿に工夫を加え、モーダルシフトを更に拡大していきたい」としている。


 ▼トクヤマ 1918年にソーダ灰(炭酸ナトリウム)の国産化を目指し、「日本曹達工業」として設立。その後、生産品目を拡大し、現在は化成品、特殊品(電子材料など)、セメント、ライフアメニティ(ファインケミカルなど)の部門を持つ。従業員数はグループ会社含めて5471人(2019年3月時点)で、19年3月期の売上高は3246億6100万円。 


トラックドライバー不足に対応し、国民生活・産業活動に必要な物流を安定的に確保するためにスタートした「ホワイト物流推進運動」は、関係者が協力して改善を進めることでサプライチェーン(供給網)全体の生産性向上につながることが期待される。
運動の理念に賛同し、自主行動宣言を提出した荷主企業の取り組みを紹介する。
※本紙2020年3月13日付掲載
(「ホワイト物流」推進運動の加速を後押しするため、全文掲載しています)





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