東京オリパラ、渋滞対策「提言」今秋にも 東京都など スケジュール変更 夏の試行反映するため
行政
2019/04/23 0:00
東京都などは今秋にも、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会期間中の渋滞対策の指針となる「提言」を取りまとめる。今夏の試行で、発着荷主へのリードタイム延長などの働き掛けや交通規制の効果を検証し、16日の交通輸送技術検討会(家田仁座長、政策研究大学院大学教授)で示した案に反映させる。ただ、一部区間・時間帯での料金値上げなど、首都高速道路を対象にした追加策は、試行できるまでの具体的な検討が今夏に間に合わない公算が大きい。(辻本亮平) 同日の検討会で、交通マネジメントに関する提言のまとめ案、今夏の試行概要案とともに、今後のスケジュールを示した。 前回会合では、18年度中にも提言を取りまとめるスケジュールを示していたが、これを修正した。今夏の試行結果を提言に反映させるための方針転換で、「検討が遅れているわけではない」(事務局)。 首都高が対象の「一部料金値上げ」「ナンバープレート規制」「複数人が乗る車両専用レーン」といった追加策に関しては現在、政府や高速道路会社が渋滞抑制効果のシミュレーションを行っている段階で、今夏の試行には間に合わないとみられる。提言のまとめ案にも記載されたが、前回会合から検討の進ちょくは無く、適用外となる「物流車両」の範囲も今後の検討課題とされた。 東京都などは今後も引き続き、交通輸送技術検討会で渋滞対策の具体的な中身について検討する、としている。 今夏の試行では、大会本番の開催期間と合わせた集中取り組み期間を設定する。7月22日の週の平日を「チャレンジウィーク」とし、更に「コア日」を設け、効果測定を実施。課題の抽出に役立てるほか、優秀な取り組みを行った事業者をPRしたり、表彰したりして、横展開に努める。 物流事業者と発着荷主の連携による交通需要マネジメント(TDM)に加え、規制などに関わる交通システムマネジメント(TSM)も、実際と同規模で数日間、試行する。提言のまとめ案では、平常時の対応として①首都高などで都心へ向かう経路上の本線料金所の開放レーン数を制限②首都高などで選手などの輸送経路の混雑を解消するための入り口閉鎖③一般道で大会専用・優先レーンを設定――などを挙げている。 【写真=前回会合で示したスケジュールを修正】