松井急便/新デザイン女性専用車、顧客や地元民の評判上々 「走る広告塔」に
物流企業
2019/04/12 0:00
【岐阜】松井急便(松井善行社長、岐阜県恵那市)は3月29日、新たにデザインを施した女性ドライバー専用車両を公開した。ワインレッドを基調に、英語の社名などを大きくあしらったもので、顧客や地元住民の評判も上々だ。(星野誠) 昨年末、恵那市内の小口集配業務を担当する「女性ドライバー部隊」を創設した。オートマチック(AT)車で、あらゆる安全機器類を装着したワンボックス車2台と軽自動車1台を用意。黒が基調の自社トラックとは異なる、ワインレッド色の車体にしたが、「日本郵便の車両と間違えやすい」(松井社長)ことから、差別化を図るためデザインを考えた。 デザイナーが作成した四つの案について、社員や家族の意見を聞きながら検討した。中には大きなハートマークを入れるプランもあり、松井氏は「可愛い」と推していたが、乗務する女性ドライバーが「ハートは恥ずかしい」と猛反対。星マークの案を採用することになった。 山本急行(山本英史社長、恵那市)のボディープリント事業部に新デザインのプリントを依頼し、ワンボックス車と軽自動車各1台の作業が2月中に完了。英語の社名、大きな星マークに自社ホームページ(HP)のアドレスも加えた人目を引くデザインで、地元住民の注目を集めている。 ドライバーの伊藤福子氏は「目立つので声を掛けられる。子供たちが集まり見ていることもある。顧客も『いいね』と褒めてくれたり、会話が広がるきっかけになった」と語る。勝野千鶴氏も「顧客とのコミュニケーションにつながっている。ハートマークではないデザインも気に入っている」と笑う。 松井氏は「女性ドライバー以外の若い社員などにも意見を求め、デザインを決定したが、出来栄えには満足している。地元で注目を集め、顧客との会話も増えるなど、狙い通りの効果が表れている。我が社にとって『走る広告塔』になりつつある」と話す。 残るもう1台のワンボックス車にも近く、同じデザインを施し、女性専用車を3台体制とする。松井氏は「なるべく早く5台まで増やす。我が社の知名度アップはもとより、女性の積極活用もどんどんPRしたい」と力を込める。 【写真=英語の社名と星マークのほか、HPアドレスを記載】