ファミマ&パナソニック、次世代コンビニ実証開始 スマホで注文受け付け 弁当を配達 IoT活用 店内業務を省人化
荷主
2019/04/09 0:00
ファミリーマートとパナソニックは2日、IoT(モノのインターネット)技術を取り入れた「次世代型コンビニエンスストア」の実証実験店舗を開設し、報道関係者に公開した。無人レジなどのほか、物流面ではスマートフォン(スマホ)アプリで注文を受け付けた弁当を配達。サプライチェーン(供給網)に関するプラットフォームも構築する。人手不足が深刻化する中、先進技術を使って省人化と新たなサービスにつなげる。(吉田英行) 実験店舗は、ファミリーマート佐江戸店(横浜市都筑区)で、同日から営業を始めた。近くにはパナソニックグループの工場がある。 同店は、パナソニックが設立した店舗運営子会社がファミマのフランチャイズチェーンに加盟して運営。パナソニックは製造業として培ってきたノウハウを提供するだけでなく、店舗運営に直接関わることで、コンビニ店の問題解決を図る。 パナソニックのIoT技術を活用し、顔認証によるキャッシュレス自動決済、欠品・店内混雑状況の把握、外国人対応などを行い、店内業務の省人化・効率化を検証する。 また、スマホアプリで注文を受けた昼食用の弁当を配達するサービスの実証実験も行う。午前10時まで注文を受け付け、店員が店内の弁当をピッキングし、手動のカートでランチタイムに指定場所へ届ける。 実験では、配達エリアを同店近くのパナソニックグループの工場、取扱商品を弁当15アイテムのみに限定するが、実験の結果次第で他のエリア・商品への拡大も視野に入れる。半年程度サービスを提供して課題などを調べる。 サプライチェーンに関するプラットフォーム構築では、来店客や商品に関する情報を、センサー・カメラ技術などを応用しデジタル化。店舗業務の負担軽減を図るほか、データ共有でサービス拡大にもつなげる。 同日の記者説明会で、ファミリーマートの沢田貴司社長は「人手不足が進み、省人化への技術革新は待った無しの状況だ。リアル店舗で検証することが重要で、出来るものはどんどんスピーディーに実現していく」と述べた。 【写真=報道関係者に公開した実験店舗】