国交省/安全プラン20、事故・死者減少率が鈍化 フォローアップ初実施
行政
2019/04/05 0:00
国土交通省は3月29日、「事業用自動車総合安全プラン2020」の初のフォローアップを行い、関係施策とトラック、バス、タクシーのモード別の取り組み状況について確認した。目標達成に向けて関係部局、各モードいずれも順調に取り組んでいるものの、交通事故件数、死者数とも減少率が鈍化傾向にあることが指摘された。 同日の「事業用自動車にかかる総合的安全対策検討委員会」(野尻俊明委員長、流通経済大学学長)の会合で、最近の交通事故発生状況を踏まえ、事業用自動者が第1当事者となった事故の件数と死者数の傾向を分析。また、国交省自動車局、全日本トラック協会をはじめとした事業者団体、地域別の安全対策会議での取り組みと進ちょくについて報告した。 事業用自動車全体で、18年の事故発生件数が3万818件(前の年比5.6%減)、17年の死者数は352人(3.0%減)と減少傾向で推移しているものの、「減少率が低下している」と指摘。プラン20で掲げる、最終年(20年)に「死者数235人以下」「事故件数2万3100件以下」「飲酒運転ゼロ」とする目標の達成に向け、減少率を一層向上させる必要性を強調した。 17年の死者数を事業モード別に比較検証したところ、トラックは前の年から11人増の298人と5年ぶりに増加している。ただ、18年は減少が確実なことから、施策の大きな改変は行わない方針だ。 取り組みの進ちょくでは、自動車局の安全政策、技術政策、旅客、貨物、整備の各課長が関係する施策、制度改正、調査の概要について説明。事業者団体は、それぞれ策定した業界別のプラン20の取り組み状況を報告した。 全ト協は、都道府県別の事業用トラック1万台当たりの死亡事故件数推移(14~17年)や、交差点での死亡事故防止対策として実施している左側方カメラ搭載車への助成事業、都道府県トラック協会との共催による事故防止セミナーなどの取り組みを紹介した。(田中信也) 【写真=事故件数と死者数の傾向を分析するとともに、事業者団体などの取り組みを報告】