ヨコウン、社員の健康「企業が管理」 優良法人認定受ける
物流企業
2019/03/29 0:00
【秋田】「これまで、『健康管理は自己責任』という考えだったが、今は企業が管理していく必要性が高まっている。社員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題と捉え、社員の健康維持・増進と生産性の向上を目指す」――。こう語るのは、ヨコウン(秋田県横手市)の塩田充弘社長(52)。2月に「健康経営優良法人2019(中小規模法人部門)」の認定を受けた。秋田県内では28社、県内物流関係では17年から継続認定の秋田海陸運送(西宮公平社長、秋田市)に続き2社目となる。 18年4月、健康経営を宣言。従来取り組んできた定期健康診断受診や職場の活性化、健康増進などを更に推進した。100%実施を達成していた健診に加え、がん検診や生活習慣病予防健診、人間ドックなどを補助し、受診を勧奨。50人未満の事業所でもストレスチェックの実施を始めた。 6月にはクラウド型の勤怠管理システムを導入し、三六(サブロク)協定の順守と過重労働(時間外労働月80時間以上)ゼロの維持など健康管理体制を充実。変形労働時間制や年次有給休暇取得義務付けにも対応している。 健康増進では、健康保険協会が進める保健指導の受診を勧奨するほか、社内同好会制度を新設。現在、野球部とマラソン同好会があり、運動機会の増進につながっている。 婦人科がん検診の補助や、妊娠中の女性社員にはワークシェアリングで勤務の負担を軽減。インフルエンザ予防接種の補助、全事業所へのアルコール消毒液の設置も実施した。過重労働対策では、長時間労働者に対して問診票の提出により、産業医との面接相談を行う制度も設けた。メンタルヘルスにも取り組んでいる。 塩田社長は「人手不足の中で、健康管理は経営課題の一つ。業績や安全管理と並ぶ課題だ。人材は大切な経営資源であり、『脱俗人化』を図る上でも健康管理は重要。社員一人ひとりの健康を組織で支え、生産性を向上させ、新たな未来にチャレンジしたい」と語る。(黒田秀男) 【写真=備え付けの血圧計で血圧測定を行う社員】