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鶴山運送/健康経営認定取得、人間ドック全員受診 弁護士の無料相談も

物流企業

2019/03/22 0:00

 【岡山】鶴山運送(中岡靖社長、岡山県津山市)は健康経営に積極的に取り組んでいる。全社員に人間ドックを受診させ、費用は会社が全額負担しているほか、社内レクリエーションも充実させている。2019年度中には、運動不足になりがちなドライバーや事務職のために、本社事務所の増改築に合わせてトレーニングルームの新設も目指す。  一連の取り組みが評価され、2月21日、日本健康会議(中西宏明会長)から健康経営優良法人(中小企業法人部門)の認定を受けた。  同社では、全社員が一般健康診断を受診している。健診で異常が認められた社員の精密検査では、衛生管理者に受診状況を書面で回答する方式を採用、受診率を100%に引き上げていく。  人間ドックは5年前から全従業員に受診させているが、女性は子宮頸(けい)がん、乳がんの検査も実施。その一方で、3年ほど前から会社での血圧・体温測定も行い、高血圧を放置している乗務員には降圧剤などを服用するよう指導。更に近隣の医療機関と提携し、職場に医療相談箱も置いている。  中岡社長は「運転業務のリスクを考え、高血圧を改善できないドライバーは継続乗務できないことにしているが、そういったケースはまだ無い。ドライバーの間では協力的な雰囲気が生まれている」と話す。  本社、津山物流センター(津山市)では分煙対策を実施。本社では朝礼時のラジオ体操が日課だ。また、夏場の熱中症対策も万全の態勢を整えている。  健康管理を担当する田村克彦安全管理者は「昨年夏は猛暑だったため、衛生管理者による熱中症の講習会を開いた。また、輻射(ふくしゃ)熱や湿度などを測定して熱中症の注意報を出す特殊な温度計を設置し、社員に電話やメールで注意喚起。各職場に塩飴や飲み物も常備し、熱中症の社員は出なかった」と話す。  優良法人認定では社内レクリエーションも評価された。18年7月に社員や家族、取引先、近隣住民などを集めて初の感謝祭を開催。ユニック車で原木を扱う作業などを実演・披露したほか、トラックの乗車体験も実施した。全て社員主導で企画したもので、交流を深めるだけでなく、仕事に対する誇りを醸成するのにも役立った。  中岡氏は「仕事の話ばかりでは精神衛生の面で良くない。イベントをやれば2、3カ月は社員の間で話題になる。2年後の創立60周年までにあと2回は開催したい」と話す。これ以外にも、女性社員が手作りの料理を提供するランチ会、全員参加の花見などイベントは多彩だ。  メンタルヘルス管理では、ストレスチェックを100%実施。また、顧問弁護士が公私の相談に無料で応じる制度も設け、社内に掲示している。実際に弁護士に相談し、近隣住民とのトラブルを解決した事例もある。  中岡氏は「離職の理由は社内の人間関係や待遇への不満などもあるが、プライベートの悩みも大きい。無料相談では、本人が言わない限り、秘密は厳守され、我々役員にも知らされない。津山地区は休職者自体が減少しており、健康経営で離職率を抑えることが重要。介護離職を防ぐため、現在は近所の介護施設とも提携を交渉中」と話している。(江藤和博) 【写真=昨年の感謝祭ではじゃんけん大会で盛り上がる】





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