取引労働改善石川協、約款改正「知らない」4割 実態調査 荷主への周知進まず ギャップ解消めざす
団体
2019/03/22 0:00
【石川】トラック輸送における取引環境・労働時間改善石川県地方協議会(近藤修司座長、四画面思考研究所所長)は8日、金沢市で会合を開き、長時間労働抑制などに関するフォローアップ実態調査の結果を報告した。トラック事業者と荷主との間には、依然として意識のギャップがあることが分かった。(星野誠) フォローアップ実態調査は、2018年10月15日から11月30日までの期間で、県内トラック運送事業者793者と荷主企業250社に調査票を送付。回収率は運送事業者が23.6%、荷主は26.0%だった。 標準貨物自動車運送約款の改正に基づく約款届け出について、新約款で届け出た運送事業者は77.0%。しかし、改正の内容を「知っている」と答えた運送事業者が80.7%いたのに対し、荷主企業は21.2%にとどまり、「知らない」も4割を超えた。 また、トラック運転者の長時間労働抑制の取り組みについては、運送事業者が92.4%、荷主も82.5%が「知っている」と回答したが、待機時間の義務付けと、荷主勧告が発動されやすくなったことは、「知らない」と答えた荷主がそれぞれ6割で、具体的内容の周知が進んでいないことが浮き彫りになった。 更に、待機時間などの改善の必要性について、荷主側の意識の変化を感じるかとの質問に対し、「かなり感じる」(4.8%)、「やや感じる」(41.7%)と答えた事業者は合わせて半数に届かず、「ほとんど感じない」(23.5%)、「感じない」(29.9%)の合計が過半数となった。 食料品を扱う荷主企業の委員は「食のライフラインを担う我が社にとっても、ドライバー不足の解消は喫緊の課題だが、事業者とのギャップは徐々に縮まっていると認識している。今後も最善の努力をしていきたい」と強調。 近藤座長は「問題意識の共有を徹底し、ギャップを埋める必要がある。個々のギャップを詳しく分析していくことも、次の具体的施策につながるはず」と総括した。 また、この日は取引環境と労働時間改善に向けたガイドラインセミナーも開催され、野村総合研究所上級コンサルタントの森川健氏がガイドラインの内容を説明。各県の改善事例などを詳しく紹介した。 【写真=フォローアップ実態調査の結果を報告】