四日市運送、梅まつりで東北支援 被災農家の産品販売
物流企業
2019/03/15 0:00
【三重】四日市運送(樋口博也社長、三重県鈴鹿市)は3日、四日市市の南部丘陵公園で開催された梅まつりに出展し、東日本大震災の被災地を支援するためのチャリティー物品販売などを行った。会場を訪れた女子児童の希望で、当初予定に無かったトラック体験乗車も実施した。(星野誠) 東日本大震災発生直後の2011年5月、被災地へのボランティア無償物資輸送を開始。これまで46回現地を訪れ、レクリエーションなどで被災者や地元ボランティアとの交流を深める一方、四日市市で行われる花火大会などのイベントにもブースを出し、物品販売で支援してきた。 梅まつりへの出展は5回目。今回は、宮城県亘理町の被災農家が生産した無農薬栽培の野菜や、オリジナル品種のイチゴ「もういっこ」を販売。また、岩手県山田町と宮城県女川町の被災者が支援物資の衣類などを材料に手作りした小銭入れ、巾着袋、アクセサリー類も来場者の注目を集めた。 更に、1回100円の子供向けゲームコーナーも開設。圧縮空気でピンポン玉を飛ばしペットボトルを倒す「エアシュート」、泳ぐおもちゃを使った魚釣りゲーム、トランポリンなどに家族連れが集まり、順番待ちの行列ができた。 大型連休中の5月1~4日、樋口社長とスタッフは宮城県亘理町と東松島市を訪問し、現地で支援イベントを開催する。会場には今回と同様のゲームコーナーを設置し、四日市市の名物料理「トンテキ」もふるまう計画だ。樋口氏は「形の上では復興が進んでいるが、孤独死する被災者もいるなど、心のケアはまだ必要だと思う。8年続くつながりを生かし、少しでも力になれたら」と強調。 今回は、うれしいハプニングもあった。女子児童のグループが、自分たちから「トラックに乗せてもらえませんか」と話し掛けてきたのだ。樋口社長が快諾すると、女子児童は交代で運転席と助手席に座り、声を上げてはしゃいだ。 樋口氏は「東北支援が目的のため、体験乗車は全く予定に無かったが、小学生の女の子がトラックに興味を持ってくれるのは、素直にうれしい。若年人材確保につながることを期待したい」と笑顔で話した。 【写真=交代でトラックに乗る女子児童】