国分、3温度帯センター拡充 10月竣工 近畿最大の流通拠点 ASEAN物流網強化
物流企業
2019/03/08 0:00
国分グループ本社(国分晃社長兼COO=最高執行責任者)は1日開いた決算会見で、2019年度における物流関連の重点施策を明らかにした。計画では3温度帯対応の流通センターの拡充・強化とともに、既存センターの統廃合及び関連業務の効率化・合理化などに取り組むことで、ローコスト・高品質な物流サービスが提供できる体制を確実なものにしていく。更に、海外事業ではASEAN(東南アジア諸国連合)を重点地域に据えながら物流ネットワーク強化に注力。設備投資はセンター建設や情報システム構築など総額120億円規模を見込む。(高木明) 10月には3温度帯管理対応の関西総合センター(仮称、大阪府茨木市)を竣工させる。多層階建て、延べ床面積3万9600平方メートル。トラックバースを設けるなど、在庫機能とともに近隣への配送機能を備える。稼働後、近畿エリアでは最大規模の流通センターとなり、旗艦施設としての役割・機能を果たしていく。 更に、物流センター業務などの効率化・合理化に注力。トラックによる搬入・搬出の待ち時間の短縮を図っていくため関連機器の積極活用や、同業他社との共同配送に取り組むことで、物流コストの圧縮に努める。同社では「物流センターの周辺業務の改善に取り組むことで、人手不足や働き方改革にもつなげていく」としている。 海外事業では、需要が見込めるASEAN地域でのネットワーク強化に注力する。昨年12月、シンガポールのコモンウェルスグループ(CCPL)との間で設立した合弁会社「コモンウェルス国分ロジスティクス」が中核会社となって低温食品物流事業の本格展開に取り組む。 国分によると、18年度は総額120億円を投じ、物流センターの新設や統廃合などを行い、全国のセンター配置を288カ所体制に整備したが、物流費は前期と比べて3.8%上昇した。国分社長は「加速する人手不足や、物流費をはじめとする更なるコスト上昇及び働き方改革といった与件を考慮した戦略の構築・展開が求められる」と強調した。 【写真=会見に臨む国分晃社長(右)と国分会長】