楽天など、同一空域・複数飛行に成功 ドローン 物流や災害調査を想定
産業
2019/03/08 0:00
楽天などの企業7社と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO、石塚博昭理事長)と日本気象協会は1日、福島県と南相馬市の協力を得て、同一空域で複数事業者のドローン(小型無人機)が安全に飛行するための運航管理システムの実証実験を行った。 試験の結果、全てが正常に作動したのを確認。今後は、同システムに接続するためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)と呼ばれるソフトウェアを、一般向けに順次公開していく。 実験は、南相馬市の福島ロボットテストフィールドとその周辺で実施。物流、郵便、災害調査、警備の各シーンを想定し、合計10機のドローンを15分間、目視外で自律飛行させた。物流分野の実験には楽天が参加し、場内に設営された荷物収納機能を持つ電子鍵付きのドローンポートで、災害支援物資の受け渡しを行った。 また、郵便物を個人宅に届ける実験に加え、不審者の侵入に警告を発する警備分野や、インフラの破損状況などを確認する災害調査も実施した。 今回開発した運航管理システムは、三つの機能で構成。具体的には①複数事業者のドローン運航を共有するための運航管理統合機能②個別事業者が運航管理システムにアクセスし、サービスを実現するための運航管理機能③空域の3次元地図や気象などの情報を提供する情報提供機能――となる。国際標準への提案を見据え、あらゆる目的を持ったドローン事業者が安全かつ安心に運航できる仕組みの構築を目指していく。(今松大) 【写真=ドローンポートで災害支援物資の受け渡しを行う】