宮本運輸/適性診断事業、特定運転者むけ開始 栃ト協の助成対象機関に 診断結果からアドバイス
物流企業
2019/03/05 0:00
【栃木】宮本運輸(宮本一成社長、栃木県那須塩原市)は2月1日から、適性診断事業「NasMu(ナスム)」で初任診断や適齢診断、事故じゃっ起者に受診が義務付けられている「特定診断Ⅰ」など特定ドライバー向けの診断と、カウンセリング付き一般診断を開始した。3月からは、地元の栃木県トラック協会(吉髙神健司会長)の診断受診補助の助成対象機関に指定されている。(佐々木健) 宮本運輸はドライバー30人を抱え、車両42台を保有。建材や浄化槽、農産物などを関東・東北地方に運んでいる。2018年5月には、一般適性診断事業に参入。9月には特定ドライバー向け診断の実施機関としての認定申請を、国土交通省に提出した。 適性診断の事業化は4年前に着手。宮本社長は「コンプライアンス(法令順守)の一環で漫然と診断を受けていた。今思うと使い方が分かっていなかった」と振り返る。 こうした背景から、同社の適性診断事業では通常の一般診断でも、受診者に対して1人10分程度の簡単な結果説明を実施。診断結果から、ドライバーの性格から出る運転の癖を分析できるためで、適性診断事業を担当する木野一弘氏は「カウンセリングではないが、短いアドバイスをしている。結果をもらって終わりでは、受診する意味が無い。事故を起こさない、遭わない運転を心掛けて欲しい」と話す。 特定ドライバー向け診断の開始に合わせ、ロゴマークを変更。名称の由来は「那須を無事故に」からだが、「那須から全国を無事故に」との思いで、元のマークに日本列島を重ねた。 今後の展望について、宮本氏は「適性診断事業では、十分なサービスが提供できるようになったと思う。次の課題は、受診する側の活用体制をつくることだ」と語る。具体的には、診断結果を各事業所の運行管理者とドライバーが共有し、安全教育で活用する体制の構築支援に取り組みたい考え。 宮本氏は「ドライバーの事故防止に必要なのは、プロドライバーの自覚と誇りを持てるよう促すこと。プロ野球と草野球が、同じ野球でも全く違うように、運転に対する自覚をプロに身に着けて欲しい」と語る。 【写真=新しいロゴマークを持つ宮本社長(左)と木野氏】