ボルテックスセイグン、自動荷役システム開発 レーザー誘導リフト活用 省人物流管理を事業化へ
物流企業
2019/03/05 0:00
ボルテックスセイグン(武井宏社長、群馬県安中市)が、自動荷役システムの開発・普及に取り組んでいる。無人で動くレーザー誘導方式の自動フォークリフト(AGF)を使ったシステムを新たに開発。AGFを手掛ける三菱ロジスネクストの担当者によると、国内の物流事業者が導入するのは初めてという。(小瀬川厚) 2月24日には、同社の鷺宮物流センター(安中市)の一部区画を利用して「自動荷役システム構築プロジェクト」の実証実験を実施。AGF2台がパレットに積まれた荷物を、100メートルほど離れた別の区画の指定されたエリアに移し替える様子を関係者が見守った。 一般的なAGFは床に貼られたテープやペイントなどを認識して動くため、床面の凹凸をはじめとしたコンディションに左右されやすく、動線を決定・変更する際の作業も大がかりなものとなる。一方、レーザー誘導式は360度回転する走査型レーザーが建物の壁などに取り付けられたリフレクター(反射板)で位置情報などを認識。動線の変更も比較的行いやすいのが特徴となっている。 トラックが庫内まで進入するボルテックスセイグンの物流施設の場合、車両の高さよりも高い位置にリフレクターを設置する必要があり、レーザーの光軸を地上から4.2メートルの高さで確保した。今後、移動式ラックを使った実証なども行うことを検討している。 2017年に群馬県から「地域経済牽引(けんいん)事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律(地域未来投資促進法)に基づく地域経済牽引事業計画」の認定を受け、県内企業では承認第1号となった。産官学と金融機関の4者連携により、中小物流事業者の成長に貢献。今後、省人物流管理パッケージサービスとして事業化(市販化)を目指す。 同日の実験後、武井社長は「理想の実現に向けた第一歩を踏み出したばかり。物流の現場の情報を提供し、目標とするレベルまで本システムを引き上げていきたい」と述べた。 【写真=AGFが荷物を移動させる様子を関係者が見守る】