関西国際物流戦略チーム、新技術活用へ基盤整備 「高付加価値物流」実現図る
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2019/03/05 0:00
関西の産官学でつくる国際物流戦略チームは2月18日、大阪市で幹事会(黒田勝彦座長、神戸大学名誉教授)を開き、活動指針となる「今後の取り組み」(改訂版)について話し合った。労働力不足への対応策としてIoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、AI(人工知能)といった新技術を活用するための情報基盤導入やインフラ面の事業環境整備を進める一方、温度管理や時間指定などの高付加価値物流を実現し、多様化する物流ニーズへの対応を進める。 宮下国生座長代理は「国際的な経済連携と情報化に対応できなければ、市場からはじき出される時代がやってきている」と強調、更に、「5年先、10年先に物流がどのような形になっているかをしっかりと見据えながら、インフラ整備の方向性を決定しなければならない」と述べた。 今後の取り組みでは、特に重要な項目として「崩れないグローバルコールドチェーン(世界的な低温流通網)の構築」を追加。関西の強みである医療と食の輸出促進に向け、温度センサー付きRFID(無線自動識別)の導入促進、一気通貫での荷物追跡が可能な情報プラットフォームの構築、非常時にターミナル状況などをいち早く入手できる大阪湾ポータルサイトの再構築を行う。 また、阪神港ではターミナルの一部を、AIなどの先進的技術を取り入れたショールームとして整備。世界最高水準の生産性を持つAIターミナルを実現し、オペレーションの最適化による生産性向上、ゲート前の渋滞解消によるスムーズな物流の実現を図る。(蓮尾輝) 【写真=今後の取り組みについて議論】