国交省、荷主との協力関係構築へ 運賃アップ トッキュウが事例紹介 「声に出して行動を」
行政
2019/03/05 0:00
【北海道】国土交通省は2月22日、札幌市で荷主と運送事業者との協力の下での取引環境の改善や長時間労働の削減を促すセミナーを開いた。国交省がトラック業界の最近の状況を説明したのに加え、事例発表として、トッキュウ(工藤修二社長、北海道岩見沢市)の大谷泰常務が、適正運賃の収受に向けた同社の取り組みについて紹介した。(土屋太朗) トッキュウでは、労働力不足が深刻化していることを受け、荷主に対して現状や改善基準告示、荷主勧告制度などについて説明。無理な到着時間の指定や、やむを得ない遅延に対するペナルティーの設定などを行わないよう求めた。 その上で、段階的な運賃アップや高速道路料金の負担を要請。現在、道内では70%程度の荷主で改定を実現した。大谷氏は「書面だけでなく、声に出して行動していくことが必要。営業担当者にとっては、顧客に運賃改定を求めるのは嫌な仕事。このため、営業担当者に改定の趣旨を理解してもらうのにも苦労した。紹介したのは本社営業所の取り組みだが、今後は本州の拠点でも展開していく」と語った。 また、国交省自動車局貨物課の橋本恵一郎課長補佐が、働き方改革関連法や改正貨物自動車運送事業法ついて解説。同省や厚生労働省がまとめた「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」の活用方法に関して、野村総合研究所の森川健・上級コンサルタントが話した。 今回のセミナーは国交省が全国で開催している。北海道では3月19日にも、北ト協主催で行う予定。 【写真=トッキュウの大谷常務が適正運賃の収受に向けた取り組みを紹介】