国交省/国際コンテナ戦略港湾政策、来年度 WG立ち上げ課題抽出 見直しの方向性議論
行政
2019/03/05 0:00
国土交通省は2月21日、国際コンテナ戦略港湾推進委員会を開き、国際コンテナ戦略港湾政策の見直しの方向性について意見交換した。港湾の電子化、AI(人工知能)ターミナルの実現に際し、小規模事業者でもシステム導入ができるようにすることや、港湾運送事業者の海外展開に当たっての支援などを求める声が上がった。(田中信也) 3月末までに公表する最終取りまとめに向け、事務局からの報告を踏まえて意見を交わした。 戦略港湾への集貨や、港湾運営会社の機動力が発揮できるような戦略的な港湾運営など、核となる施策は継続的に取り組む。中南米航路を阪神港に誘致することや、2025年に開催する大阪・関西万博に対応したAIターミナルの実現など、施策の更なる充実を求める声が上がった。 一方、様々な環境変化に対応できなければ「日本が地理的に優位な北米航路の直接寄港まで失われる可能性がある」との危機感が示された。港湾の電子化やAIターミナルの実現、港運業界のIT化と労働力不足への対応といった環境変化を踏まえた新たな施策を実施すべきとの意見が出た。 港湾の電子化では、小規模事業者でもシステム導入が可能になるインターフェース(接点)への配慮を求める声が聞かれた。業界のIT(情報技術)化・労働力不足対応では、18年の台風被害を踏まえた安全確保、港運事業者の海外展開に当たっての環境整備などが指摘された。 また、19年度以降は、国際コンテナ戦略港湾政策推進ワーキンググループで、政策目標や個別政策の進ちょく状況の確認、新たな課題抽出などの作業を進めていく方針について確認した。 更に、東京オリンピック・パラリンピック開催時の港湾物流についても意見を交換。「既に東京港の容量不足が深刻な中、残された期間に必要な対策を実施できるのか」といった懸念のほか、「期間中、荷主の協力により輸出貨物を抑制することは可能でも、青果物の輸入の抑制は困難。大会輸送影響度マップが必要」「(10連休などで)同様の事態が想定される19年のゴールデンウィークを活用し、ケーススタディーを行うべき」といった提言があった。 【写真=国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会で意見交換】