物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

内航RORO船・長距離フェリー、航路開設が各社で相次ぐ モーダルシフト需要受け デイリー化で利便性向上

物流企業

2019/03/01 0:00

 内航RОRО船や長距離フェリー業界の動きが一段と活発になってきた。商船三井フェリー(大江明生社長、東京都中央区)は3月から、東京―苅田(福岡県)航路の運行を、RORO船2隻での週4便から新造船を含むRОRО船3隻による週6便のデイリー便に切り替える。近海郵船(田島哲明社長、港区)は4月からRОRО船による敦賀(福井県)―博多(福岡県)航路を新設。一方、新日本海フェリー(入谷泰生社長、大阪市北区)や阪九フェリー(小笠原朗社長、北九州市門司区)を中核会社としたSHKグループでは、2021年春をメドに横須賀(神奈川県)と北九州(福岡県)を結ぶ定期フェリー航路を開設する。トラック業界のドライバー不足を背景とするモーダルシフト需要を取り込む。(高木明)  現在、商船三井フェリーの東京―苅田航路はRОRО船2隻による週4便体制で運航されている。3月からは新造RОRО船(1万2千総トン型)を追加配船することで、3隻・週6便運航とする。5月には2隻目の新造RОRО船(1万2千総トン型)が完成。同じくリプレース船として投入していく。  デイリー化に伴い、航海時間を現行の32時間から25時間30分に短縮。新造船2隻が出そろう5月からは、全て直行便の運航となるが、苅田発東京行きの週1便が宇野港(岡山県)に寄港する。  このため、東京発便では九州全域での3日目配送が実現する一方、苅田発便は出航時間を大幅に繰り下げることで、九州全域からの乗船が可能となる。同社では「輸送力の増強とともに利便性が一層高まる」と話す。  また、東京―苅田航路とは別に、東京―博多航路で日本通運と共同運航を行っているが、4月から寄港地を見直すことで利便性を高める。その結果、東京発博多行き(下り便)の週3便を御前崎(静岡県)に寄港させるとともに、博多発東京行き(上り便)は寄港地を宇野から大分港(大分県)に変更する。現行の岩国(山口県)寄港便は従来通りの運航体制とする。  近海郵船でも4月1日から敦賀―博多航路にRОRО船(旧「まりも」、8350総トン型)を配船、週3便体制で運航開始。更に、7月には追加投入し、2隻によるデイリー運航(日曜日を除く)で臨む。所要時間は19時間、車両積載能力はシャシー120台(12メートル換算)、乗用車150台。同社では「敦賀港は関西・中京・北陸圏の日本海側の玄関口の機能を持つ。敦賀―苫小牧(北海道)航路とつなぐことで、海上輸送ルートの利用価値は一層高まっていく」としている。【写真=常陸那珂(茨城)―苫小牧(北海道)航路に就航中の高速RОRО船「まりも」(近海郵船)】





本紙ピックアップ

高校生提案、路線バス乗り継ぎ輸送

 物流危機を解決しようと企画した高校生のアイデアが、路線バスの乗り継ぎによる荷物輸送として具体化した。「2024年問題」に関心を持つ広島県瀬戸内高校の生徒が、貨客混載について中国運輸局に相談したのがきっかけ。産学官連携に…

「特車通行」方向性、確認制度で原則自動化

 国土交通省は、特殊車両通行制度について、一般的制限値を超える申請などを除き、全て特車確認制度による自動化を進めていく。道路管理者の負担を減らす。7日の社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会(石田東生部会長、筑波大学…

国交省/宅配便の受け渡し多様化促進、標準約款に「置き配」

 国土交通省は宅配便の多様な受け渡し方法の普及を図るため、標準宅配便運送約款を見直す。2026年度をメドに、「置き配」や宅配ボックスでの受け渡しを明記する。新たに取り組むトラック運送事業者が個別に認可を取る必要がなくなる…

イズミ物流、外国人運転者を積極採用

 ダイセーグループのイズミ物流(平川信社長、東京都千代田区)は、外国人材の採用に早い時期から目を向けてきた。採用準備をいち早く始めたことも功を奏し、外国人ドライバーCrew(クルー)は10月28日時点で11人を雇用。また…

オススメ記事

高校生提案、路線バス乗り継ぎ輸送

 物流危機を解決しようと企画した高校生のアイデアが、路線バスの乗り継ぎによる荷物輸送として具体化した。「2024年問題」に関心を持つ広島県瀬戸内高校の生徒が、貨客混載について中国運輸局に相談したのがきっかけ。産学官連携に…

「特車通行」方向性、確認制度で原則自動化

 国土交通省は、特殊車両通行制度について、一般的制限値を超える申請などを除き、全て特車確認制度による自動化を進めていく。道路管理者の負担を減らす。7日の社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会(石田東生部会長、筑波大学…

国交省/宅配便の受け渡し多様化促進、標準約款に「置き配」

 国土交通省は宅配便の多様な受け渡し方法の普及を図るため、標準宅配便運送約款を見直す。2026年度をメドに、「置き配」や宅配ボックスでの受け渡しを明記する。新たに取り組むトラック運送事業者が個別に認可を取る必要がなくなる…

イズミ物流、外国人運転者を積極採用

 ダイセーグループのイズミ物流(平川信社長、東京都千代田区)は、外国人材の採用に早い時期から目を向けてきた。採用準備をいち早く始めたことも功を奏し、外国人ドライバーCrew(クルー)は10月28日時点で11人を雇用。また…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap